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出版社:岩波書店
出版日:2022年04月26日頃
ISBN10:4000271741
ISBN13:9784000271745
販売価格:3,740円
敗北に終わった戦争を記憶・記念し、無残な死を遂げた者を追悼する営みは、時の流れにともない困難さを増し、変質を余儀なくされてきた。戦後日本社会の歴史の中で記憶と追悼が変容してゆく過程をたどるとともに、過去の出来事を眼差すそれらの営みが、未来を開く可能性を秘めていることを明らかにする。
『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって
総説 戦争を記憶し、戦争死者を追悼する社会とそのゆくえ………西村 明
第1部 記憶する人々
第1章 シドニー湾特殊潜航艇攻撃をめぐる日豪の記憶とその変遷………田村恵子
第2章 憲兵と暴力ーーマニラBC級裁判の記録を中心に………岡田泰平
第3章 死者と生者を結びつける人々--パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者………中山 郁
コラム1 朝鮮人特攻隊員という問い………李榮眞
第2部 記憶の支点ーー想起をもたらす場所とモノ
第4章 「原爆の絵」が拓く証言の場………直野章子
第5章 空襲の死者を想起する場所ーー遺骨・モニュメント・写真………木村 豊
第6章 アジア系アメリカと「慰安婦」碑ーー国境を超える共感と批判………中村理香
コラム2 花岡町と鉱山と『花岡事件』をめぐる人々………坂井田夕起子
コラム3 戦後天皇と慰霊ーー「靖国型追悼路線」からの展開………西村 明
第3部 記憶・記念の実践と冷戦後の社会
第7章 戦争記憶の世代間継承と社会ーー「選択されたトラウマ」と山西省盂県の記憶………石井 弓
第8章 「沖縄の精神衛生実態調査」にみる戦争と軍事占領の痕跡………北村 毅
第9章 なぜ私たちは黙禱するのか?--近代日本における黙禱儀礼の成立と変容………粟津賢太
コラム4 戦争の記憶を共有することーー記憶表現の現場から………大川史織
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