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出版社:ひつじ書房
出版日:2018年11月08日頃
ISBN10:489476928X
ISBN13:9784894769281
販売価格:3,520円
日本で生まれ育ち、日本の学校に通う外国ルーツの子どもたちが、普段の日本語の会話では何不自由なく話しているように見えるのに、意外と簡単な日本語を知らないことがある。一見、不自由なく話せているのに、どうしてそのような簡単なことばを知らないのか。そして、そのような簡単なことばを知らないことで、学校での教科学習につまずくこともある。周りの大人がなかなか気づかないそのようなつまずきを教育上の盲点と考え、その実態を明らかにする。
1 日本の学校で学ぶ「外国人」の子どもの日本語力ー教育現場での課題と基礎研究の必要性̶
1–1 本書における「JSL の子ども」とは誰のことか
1–2 日本生まれ・育ちのJSL の子どもの“簡単な” 日本語でのつまずき
1–3 JSL の子どもを支える大人に知ってほしい“簡単な” 日本語のつまずき
1–4 本書の構成
2 バイリンガルの子どもの語彙力に関する先行研究
2–1 「 母語・L1,L2」「モノリンガル,バイリンガル」という用語について
2–2 子どもと大人のL2 習得
2–3 欧米におけるバイリンガルの子どものL2 語彙力に関する研究
2–4 JSL の子どもの日本語語彙力に関する研究
2–5 まとめ
3 調査対象語抽出のための語彙データベースの作成
3–1 語彙データベース作成の目的
3–2 語彙データベースに組み込んだ語彙リスト
3–3 語彙データベースに含まれる語の分析:
工藤(1999)と樋口他(2011)を中心に
3–4 まとめ
4 和語動詞の産出力調査の実施手順
4–1 動詞に着目する理由
4–2 本書が取り組む研究課題
4–3 調査の概要
4–4 調査対象とする動詞の絞込み
4–5 問題文・イラストの作成
4–6 調査票の作成・採点方法
4–7 調査の実施手順について
4–8 調査対象者
4–9 Mono 幼稚園児を対象とした追加調査
4–10 まとめ
5 合計得点から見るJSL の子どもとMono の子どもの違い
5–1 合計得点の分析によって明らかにしようとすること
5–2 合計得点の記述統計
5–3 JSL の子どもとMono の子どもの合計得点の差と「伸び」の差
5–4 動詞の産出が苦手なJSL・Mono の子ども
5–5 JSL の子どもの個人差の詳細
5–6 まとめと考察
6 アイテム別正答率から見るJSL の子どもが苦手な動詞・用法の特徴
6–1 アイテム別の正答率の分析によって明らかにしようとすること
6–2 JSL の子どもが苦手なアイテム
6–3 JSL の子どもが「伸び悩む」アイテム
6–4 まとめと考察
7 誤答から見るJSL の子どもとMono の子どもの共通点と相違点
7–1 誤答の分析によって明らかにしようとすること
7–2 JSL・Mono の子どもの全体的な誤答の傾向
7–3 間違いのパターン
7–4 JSL の子どもに特徴的な誤答
7–5 まとめと考察
8 日本生まれ・育ちのJSL の子どもの日本語力を育てるために
8–1 教育実践への示唆
8–2 基礎研究としての本研究の意義と今後の課題
8–3 最後に
引用文献
あとがき
巻末資料
索引
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