熊倉功夫著作集　第五巻

伝統とは、美とは、日本とはー 文化史の諸領域にわたり茶の湯を軸として、鋭敏な感覚で鮮やかに本質を明らかにし、分野を軽々と飛び越えて新たなパースペクティブを示し続けてきた著者が、自選によってまとめる七つの小宇宙 戦国の争乱をこえ平和の時がきた。 寛永時代を謳歌する新しい文化誕生。 後水尾院はじめとする禁中ならびに公家社会、 武士や町衆、僧侶さらに牢人まで一つに溶けあって、 “きれい”で“美しい”寛永文化の花を開かせた。 1寛永文化の研究 　序にかえてー寛永文化をめぐる三つの仮説ー 第一部　寛永文化の前提 　第一章　戦国的なるものと近世的なるもの 　第二章　徳川幕府の朝廷政策と公家家業 第二部　寛永文化の性格と基盤 　第一章　寛永文化と知識人層 　第二章　公家衆の生活と文化ー元和七年公家日記を通してみたー 　第三章　桂離宮ーその作者と時代ー 　第四章　大名茶の成立 　第五章　近世初頭における大名茶の性格ー小堀遠州と加賀前田家ー 　第六章　茶書『草人木』の成立 第三部　寛永文化の変容 　第一章 『板倉政要』と板倉京都所司代 　第二章　三千家と宗旦四天王 　終章にかえてー『洛陽名所集』の著者とその父ー 　あとがき 2　寛永文化そしてその後 寛永文化人としての松花堂昭乗 後水尾院と修学院離宮 日本遊芸史序考ー数寄者本阿弥光悦を中心にー 知識人の教養 3〈史料翻刻〉『板倉政要』巻六〜巻十　裁判説話の部 　はじめに 　凡　　例 　本　　文 解説ー松澤克行 索引（人名・事項）