書物の来歴、読者の役割

書物と人との出会いの歴史 ▼一冊の書物は読者とのかかわりのなかで、どのように変容していくのか。 古今東西の貴重書に残された痕跡をてがかりに、その歴史と文化を分析する11篇の論考集。 前言　　　松田 隆美 「見る書物」としての《バイユーのタピスリー》 ーーその解釈の変遷　　　金沢 百枝 失われた自筆原稿を求めて ーーダンテ『神曲』のテキストを読むということ　　　原　基晶 グーテンベルク聖書の手書き要素から辿る来歴　　　池田 真弓 エリザベス1世の侍女の時禱書 ーー「フィトン時禱書」の特色と来歴　　　松田 隆美 閨秀古英語研究者のアソシエーション・コピー ーーエリザベス・エルストブとアンナ・ガーニーの場合　　　高宮 利行 海を渡るヒロインたち ーー日本における翻訳小説と少女マンガ　　　大串 尚代 『春と修羅』と賢治にとっての「本」　　　山本 昭彦 漢籍の書物捜索　　　高橋 智 作品はどのように生成するか ーーエミール・ゾラから永井荷風へ　　　小倉 孝誠 キリシタン時代の良心問題に関する手引書 ーーマルティン・デ・アスピルクエタとその周辺　　　浅見 雅一 もう一つの『百人一首』 -- 五山文学受容の一様相　　　堀川 貴司 執筆者紹介