|
出版社:慶應義塾大学出版会
出版日:2009年03月02日頃
ISBN10:4766415957
ISBN13:9784766415957
販売価格:6,380円
中世とは何であったか?
▼芸術からサブカルチャーまで、英米文化の底流には中世主義が脈々と流れている。中世主義を考えるということは、「中世」概念の再検討を通じて、アカデミックな中世研究のありようをも根本的に問い直し、中世研究の未来を切り拓くことにつながるーー中世とは何かを問うアカデミックな論考集。
中世主義は超えられるか まえがきにかえて 高橋 勇
第1章 ブロセリアンド巡礼
--「魔法の森」とケルティシズム 辺見葉子
第2章 ヴィジョンからアレゴリーへ
--死後世界の断片化と中世の終わり 松田隆美
第3章 運命の車輪は止まれるか
--ソーントン写本における中英語作品『アーサーのワズリン湖奇譚』再考 不破有理
第4章 トリストラムの「十字架」と写字生の「無駄線」
--マロリーの『アーサー王の死』の本文批評再考 加藤誉子
第5章 印刷本を綴じる
--イギリス初期印刷文化と合冊本としての『農業の書』 徳永聡子
第6章 ゴシック・リヴァイヴァルとゴシック・サヴァイヴァル
--ジャコビアン・ゴシック様式の大学建築をめぐって 岩井茂昭
第7章 アイルランド併合とゲールの伝統
--スウィフトからエッジワースへ 中村哲子
第8章 ブラックフライアーズ・ブリッジにかけた夢
-- 一八世紀イギリスにおける歴史認識と生活感覚、そして文書文化の諸ジャンル
原田範行
第9章 中世イタリア共和主義
--メアリー・シェリーの『ヴァルパーガ』とブラウニングの『ソルデロ』を巡って
鈴木理恵子
第10章 アメリカのシャロット姫たち
--一九世紀半ばから二〇世紀半ばの米国女性作家とアーサー王物語 松川祐子
第11章 ベアトリーチェの造型
--D・G・ロセッティのダンテ『新生』翻訳再考 加藤千晶
第12章 武勲詩の伝統から『カスピアン王子のつのぶえ』へ
--シンボリカル・ナラティヴと年代記 高木眞佐子
第13章 シェルターへの夢
--ポストモダン社会における中世主義の末裔たち 鈴木 透
第14章 「キャラ」の研究序説
--『しゅごキャラ!』にみるプレモダンへの回帰 高橋 勇
あとがき 高橋宣也・横山千晶
|