記憶を紡ぐアメリカ

「マイノリティ」の過去をめぐる闘争、「表象芸術」に みる記憶表現、「コミュニティ」における共通記憶の実 態。記憶の創出をめぐる多様な分析から、自らの過去と 真摯に向き合い、集団的記憶の再構築に挑む超大国アメ リカの本質を探り、その行方を問う。 序　論　記憶と未来ーー二一世紀アメリカの動向をどう読み解くか 鈴木透 第1部　マイノリティをめぐる過去の清算 第1章　奴隷制度補償運動ーー謝罪、賠償、記憶 奥田暁代 第2章 生まれ変わる古戦場 ーーカスター神話の解体と先住インディアンの記憶の復権 鈴木透 第2部　記憶装置としての映画と演劇 　　　　 第3章 アメリカ映画史にみる戦争の記憶 マイケル・W・エインジ 　　　　第4章 舞台が再構築するアメリカ・インディアンの表象　 常山菜穂子 第3部　アメリカン・デモクラシーの行方 　　　　 第5章 ワシントンD.C.における土着文化 ーー自治権と黒人の差別問題をめぐって　 近藤光雄 　　　　 第6章 デモクラシー、暴力、イノセンス ーーテロの時代における記憶の民主化と愛国主義 鈴木透 あとがき 近藤光雄