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出版社:弘文堂
出版日:2021年06月29日頃
ISBN10:4335358180
ISBN13:9784335358180
販売価格:3,960円
「戦後憲法学」は複雑・多様で、実に豊饒であった──
日本社会にもしのびよる「分断」とリベラル勢力の影響力の相対的低下のなかで、そのあり方が問われる「護憲」や「抵抗の憲法学」。それらとしばしば等置される「戦後憲法学」は、実際には多様な内容を含んだものであるにもかかわらず、時の経過とともに外部から見えにくいものとなっていました。そこで本書は、「戦後憲法学」の複雑さ・多様さについて、歴史を振り返りつつ紹介。「戦後憲法学」の誕生と日本国憲法の「定着」の過程の検証、その中にあって「保守」憲法学を構築した人々、「東大憲法学」および「京大憲法学」の系譜と憲法学の理論化の流れ、そして9条論争における憲法学者たちの多様な主張など、多面的な考察から、〈これからの憲法学/憲法学者〉を考える糸口となる一冊です。
序 章 「戦後憲法学」とは何か〔出口雄一=鈴木敦〕
第I部 「戦後憲法学」の形成
第一章 「戦後憲法学」の誕生
--「啓蒙」と「抵抗」〔出口雄一〕
第二章 日本国憲法の「定着」をめぐって
--憲法調査会と憲法問題研究会〔廣田直美〕
第三章 「戦後憲法学」の多様化
--戦後日本の「保守」憲法学の展開〔荒邦啓介〕
第II部 「戦後憲法学」の担い手
第四章 「東大学派」の系譜
--法と政治の間で〔西村裕一〕
第五章 「京大学派」の系譜
--理論と実践の交錯〔赤坂幸一〕
第六章 「理論憲法学」の再興
--樋口陽一と立憲主義の復権〔江藤祥平〕
第III部 「戦後憲法学」の舞台
第七章 「戦後憲法学」と平和主義
--九条という「主戦場」〔鈴木 敦〕
第八章 「戦後憲法学」の死角
--沖縄、マイノリティ、アジア〔守谷賢輔〕
終 章 これからの憲法学を考えるために〔鈴木敦=出口雄一〕
【人名索引】
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