丹下健三建築論集

世界のTANGE──。国際的建築家として丹下健三の名を知らしめたのは、その作品のみならず、彼の論説と思想であった。人間と建築にたいする深い洞察と志。「美しきもののみ機能的である」との言葉に象徴される独自の美意識。建築の化身と呼ばれた不世出の建築家による重要論考を集成する。二巻構成のうちの建築論篇。 1　建築家の構想力について 　MICHELANGELO 頌（しょう）--Le Corbusier 論への序説として 　現在日本において近代建築をいかに理解するかーー伝統の創造のために 　現代建築の創造と日本建築の伝統 　無限のエネルギー：コンクリート 　芸術の創造性について 2　建築の設計について 　日本の建築家ーーその内部の現実と外部の現実 　おぼえがきーー建築設計家として民衆をどう把握するか 　建築家は民衆をどう把えるか 3　建築の美について 　インダストリアル　デザインと建築ーー自由な娘たち 　芸術の定着と統合についてーー三人展を機会に 　グロピウスの残した余韻 　『桂』序 　サンパウロ・ビエンナーレ展の焦点 　対立をふくんだ芸術の協同 編者解説……………豊川斎赫