1500年続く山の集落から学ぶ

私たちは、人新世の時代を、どう生き、どう変えていくのか。自然と社会をひとつに捉える社会生態系システムを理論的視座におきつつ、千年以上の歴史をもつ根尾でのフィールドワークを通して、大きな変容に耐えうるレジリエンスとは何か、持続可能な地域社会の望ましいあり方について、探求する。 はじめに 1　コミュニティ・レジリエンスと社会生態系 　人新世時代のコミュニティ・レジリエンス 2　文化の継承とレジリエンス 　水の分配システムーー生きる源の共有 　共同体の維持装置としての神社とまつり 　伝統文化の継承とコミュニケーションーー根尾盆踊りと多様な交流 　音頭取り70年ーー吉田喜作さん 　神事芸能の継承とコミュニティ・レジリエンス 　根尾能郷集落の能・狂言ーー二重の継承システム 3　分解・循環されるいのち 　人と自然との共存による多様な分解 　分解の現場からーー所孝一さん 　人新世におけるふたつの循環 　熊と山と仕事とーー松葉五郎さん 4　コミュニティのトランスフォーメーション 　時代に合わせた仕組みの変化 　古い集落に学ぶコミュニティ・レジリエンス おわりに