聴覚障害教育の手引

人工内耳装用児や重複障害のある子供の増加など特別支援教育（聴覚障害）を取り巻く状況が変化している中、経験の浅い教員に対する研修や自己研鑽などで活用できるよう、聴覚障害教育において重要性が増している「言語指導」について分かりやすく解説。手話や指文字など意思疎通のための多様な方法を活用する際の基本的な考え方についても解説する。また、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導など多様な実践例を紹介。 第1章 聴覚障害教育における言語指導 第1節 聴覚障害教育の歴史 1 特別支援学校(聴覚障害)数及び在籍数の推移 2 コミュニケーション手段の推移 第2節 聴覚障害教育における言語指導の変遷 1 「要素法」と「全体法」 2 「生活の言語化」と「言語の生活化」 3 「構成法」と「自然法」 4 幼児児童生徒の実態の多様化への対応の試み 5 医療や補聴機器等の進歩と聴覚障害教育 6 重複障害教育 7 学習指導要領等への位置付けの変遷 第3節 聴覚障害児に対する言語指導 1 言語の獲得・発達 2 聴覚障害児に対する言語指導の重要性 3 各発達の段階における言語指導の考え方 4 全人的育成のための言語活動の在り方 5 特別な配慮を必要とする場合 第4節 聴覚障害児とのコミュニケーションにおける多様な方法の機能と特徴 1 コミュニケーションにおける多様な方法を活用する際の基本的な考え方 2 音声 3 文字 4 指文字 5 手話 第2章 聴覚障害児に対する言語指導の基本 第1節 教育課程上の位置付け 1 特別支援学校の目標 2 各教科等における指導上の配慮事項 3 自立活動について 第2節 聴覚障害児に対する言語指導上の配慮 1 幼児児童生徒の発達段階に即すること 2 聴覚障害教育の基本を踏まえること 3 コミュニケーションにおける多様な方法や言語指導法の特徴を踏まえること 第3章 聴覚障害児への指導等の実践例 第1節 幼稚部入学前段階における教育相談 1 保護者支援の意義 2 乳児に対する理解を深める支援の例 3 グループ活動を通じた支援の例 4 福祉、医療等の関係機関との連携を通じた支援の例 第2節 幼稚部段階における指導等 1 話合いの素地となる態度を育む指導例 2 経験と言葉を結び付ける指導例 3 新たなコミュニケーション手段の獲得を目指す指導例 4 個別の指導や配慮と学級指導(集団)とを関連付けた指導例 第3節 小学部・中学部・高等部段階における指導 1 教科学習の基盤を培う指導例 2 教科学習等における指導例 3 自立活動の指導例 4 重複障害児に対する指導例 第4節 保健室・寄宿舎における指導 1 小学部児童の保健室利用時における対話に関する指導 2 児童生徒間の話し合い活動の指導 3 社会自立に向けての個に応じた指導 第5節 特別支援学級等における指導 1 小学校・中学校等に在籍する聴覚障害児の指導 2 特別支援学級(難聴)と通級による指導(難聴)における指導 3 特別支援学級(難聴)における指導 4 通級による指導(難聴)における指導 第6節 聴覚障害教育における専門性の向上 1 教員の研修制度、国の取組 2 学校経営に関する取組 3 校内研修の取組例 コラム コラム1 音に対する反応の発達と聴力検査 コラム2 キューサイン 索引