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出版社:地人書館
出版日:2018年07月10日頃
ISBN10:4805209232
ISBN13:9784805209233
販売価格:3,850円
第二次大戦中、陸軍からの援助を受けていたカリフォルニア工科大学ジェット推進研究所(JPL)では、ロケットエンジンの噴射速度や飛翔体の経路を計算するのに数学や数値計算に堪能な人材が必要になった。そのとき採用されたのは数学や物理を修めた若い優秀な女性たち。彼女たちは「コンピューター」(計算手)と呼ばれ、紙と鉛筆、それに数学的能力を駆使してロケットを設計し、アメリカで最初の弾道ミサイルの打ち上げに貢献した。彼女たちは、単に単純な計算を行っていただけでなく、計算過程を整理し、計算方法を改良し、より効率のいい方法を開発していた。つまり彼女たちは最初のプログラマーだった。
やがて、JPLがアメリカ航空宇宙局(NASA)の組織の一部になったとき、女性コンピューターたちは、月、金星、火星を目指す惑星探査の研究開発の担い手となった。人間の代わりにデジタル計算機(いわゆる「コンピューター」)が使える時代になると、最初のコンピューター・プログラマーとなり、コンピューター・エンジニアとなった。そうした彼女たちの努力によって、太陽系の惑星探査は実現した。やがて彼女たちは、後に続く女性研究者、エンジニアの先駆けとなっていく。
本書『ロケットガールの誕生』は、「コンピューター」として宇宙開発を支えただけでなく、逆境をはねのけ、自らの道を切り開いていった彼女たちの物語であると同時に、黎明期の惑星探査の熱狂とそこに携わる人々の情熱を鮮やかに描き出している。
まえがき
1958年1月 打ち上げの日
第1部 1940年代
第1章 上へ、上へ、そして遠くへ
第2章 西海岸を目指して
第2部 1950年代
第3章 ロケットの夜明け
第4章 ミス・誘導ミサイル
第5章 足踏み
第6章 90日と90分
第7章 月の輝き
第3部 1960年代
第8章 アナログの大君
第9章 惑星の引力
第10章 最後の宇宙女王
第4部 1970年代〜現代
第11章 火星から来た男
第12章 少女のように
エピローグ
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