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出版社:水声社
出版日:2021年10月25日頃
ISBN10:4801006027
ISBN13:9784801006027
販売価格:6,600円
生誕200年記念!
現代文学の端緒を開いたフローベール。同時代への徹底した不信から文学への信を鍛え上げた作家の彫心鏤骨の作品世界は、膨大な書簡や草稿とともに、常に現代作家を虜にし、文学批評・研究の試金石となってきた。同時代を鋭く見抜き、未来の読者を待望するフローベールへ、既成の作家像を超えて迫る19のアプローチ!
序
フローベール、十九世紀、そして「未来の読者」
松澤和宏
第1部 フローベール文学の多層性
詩人の傲慢から芸術家の平静へ
ーー初期作品と『聖アントワーヌの誘惑』の七つの大罪をめぐって
中島太郎
シャルルの変貌をめぐって
ーー『ボヴァリー夫人』における愛と赦しとアイロニー
松澤和宏
『ボヴァリー夫人』におけるルソーの影響
ーー威光と愚かさのはざまで
中野茂
『ボヴァリー夫人』における継続的反復と十九世紀初頭の思想
三原智子
分有されたヴィジョン
ーー『サラムボー』の描写について
朝比奈弘治
『感情教育』と第二帝政
小倉孝誠
フィギュールとしての二月革命
橋本知子
民主主義のなかの小説家
菅谷憲興
フローベールの反目的論
山崎敦
『ブヴァールとペキュシェ』における教育施設の夢
和田光昌
【補論】
『純な心』のフェリシテとオバン夫人
松澤和宏
第2部 フローベールと十九世紀作家
仮借なき戦争の物語
ーーポリュビオス、ミシュレ、フローベールをめぐって
真野倫平
フローベールからバルザックへ
ーージャーナリズムの問題を中心に
鎌田隆行
フローベールとユゴー
ーーシンフォニーを求めて
木内尭
フローベールとゴンクール兄弟
ーー第二帝政期の文壇生成をめぐって
沖田吉穗
フローベールを語る
ーー一八八〇年代のモーパッサン
足立和彦
【補論】
『感情教育』とバルザック『現代史の裏面』
松澤和宏
第3部 フローベールと現代文学
バルトとブランショにおけるフローベール的エクリチュール
ーー一九六〇年代以降の理論的言説のなかで
郷原佳以
物語の彼方と手前
ーークノーとペレックにおけるフローベールの遺産
塩塚秀一郎
クンデラのフローベール
西永良成
【補論】
歴史家と社会学者はフローベールをどう読んだか
小倉孝誠
【研究ノート】
作品批評史
『聖アントワーヌの誘惑』批評史 中島太郎
『ボヴァリー夫人』批評史 木内尭
『サラムボー』批評史 三原智子
『感情教育』批評史 木内尭
『三つの物語』批評史 大橋絵理
『ブヴァールとぺキュシェ』批評史 山崎敦
フローベールと映画 橋本知子
主要参考文献
編者あとがき
小倉孝誠
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