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出版社:草思社
出版日:2021年07月30日頃
ISBN10:4794225288
ISBN13:9784794225283
販売価格:2,200円
セイ、あなたと私は驚くほど似ているーー。
遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、
ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。
仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、
長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。目的は「清少納言を研究する」ためーー。
うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、
同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、
東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、
この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。
新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いたデビュー作!
■目次
1 始まり。十月
清少納言について知っていること
2 エスポー。冬から夏
長期休暇ーー助成金ーー研究ーー傲慢と恐怖ーー引っ越しと出発
3 平安京へタイムスリップ
美と歌の世界
平安時代の女たち
仮名文字
4 京都。九月
暑さーー同居人たちーー町
『枕草子』とは何だったのか。様々な伝本
5 京都。九月。第二部
歌舞伎ーー石庭ーー坐禅ーー能ーー芸者たち
空っぽの部屋、つまり平安時代の調度品
後宮、つまり女たちの世界
6 京都ーー九州。十月
庭園ーー宇治ーー比叡山ーー金運稲荷たちーー列車の旅ーー美容院にてーー手蹟テストーー苔庭にてーーセイ、あなたが見える
宗教と食事について
セイ、あなたはどう思われている?
友だちノート、つまり清少納言って誰?
7 東京ーー京都。十一月
大都市ーー日文研塹壕ーーヴォーグ
嫌味なセイとムラサキーー二人の宮廷女房の争い
8 フィンランドーーロンドン。冬
ものづくしの秘密
ヴァージニア・ウルフと女性事情ーーセイ
四十二人のセイーー訳書
脱線とセイの後継者たちーー文学、映画、音楽
9 男たちと恋人たち
恋人との逢瀬
平安時代の男たち
セイの男たちと子どもたち
10 津波ーータイ
Ⅺ 京都。四月
桜ーーもののあはれーー兼好と私
源氏狩り
和歌テスト
Ⅻ 京都。五月
坐禅ーー舞踏ーーレイのバー
春画よ、セイ
宴会と酒飲みについて
セイの運命
XIII 脱ぐこと、纏うこと
最後の質問、つまり『枕草子』とは何だったのか?
XIV 終わりーー始まり。ノルマンディー。八月から九月
謝辞
あとがき
親愛なるミア・カンキマキさんーー訳者解説
参考文献
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