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治療は文化である(臨床心理学 増刊12号)

著者:森岡正芳
出版社:金剛出版
出版日:2020年08月18日
ISBN10:4772417788
ISBN13:9784772417785
販売価格:2,640円
文化と癒しの問題は根源的である。今や古典となった中井久夫「治療文化論」、河合隼雄「中空文化論」、土居健郎「甘え文化論」。このような卓抜な文化論にとどまらず、臨床家の多くが、自らの実践を通じて文化の課題に行きつく。これまで多くの臨床家たちは欧米で学び、欧米文化歴史との対比の中で、日本文化慣習の特徴を意識してきた。 このような世代と時代性があった。西洋の理論を積極的に吸収してきたが、それをそのままもちこんでも、セラピーのプロセスには齟齬が生じる。文化的コンテクストを背景において、ケアとセラピーを行うことを自覚し、その葛藤の中で培われたセラピーの理論は今も基盤を成す。河合隼雄がsand play techniqueを箱庭療法と訳したのは、異なる文化の土壌に移植するうえで卓抜なアイデアであった。 それに対して状況は急速に変動している。グローバルな高度情報化に伴う社会の均一化、多様なメディアの発達による生活と社会基盤の変動。それらによって医療や福祉、教育の現場においても情報化と標準化が急速化する。マイノリティ、多文化間対話、サブカルチャー、気候変動環境汚染の問題への注目を集めるが、並行するように、宗教民族間差別意識による紛争葛藤が多発する。このような地球規模の変動は当然ながら、心の健康と病に関する観点を大きく様変わりさせた。心の危機は文化の危機である。 そこから民族歴史に根差した固有の実践が見直されることは必然であろう。土地に根差した心身のケア、魂への配慮が見直される。標準化、制度化された専門家の知識をいったん保留し、クライエント家族当事者のとらえから教わることそれ自体に、治療的意味があることに気づかされる。ここからナタンのエスノプシキアトリ(民族精神医学)やナラティヴセラピーの観点が生まれたのは周知のことである。 増刊号ではまず、文化と癒しにかかわる現代課題を抽出する。そして歴史文化の知恵から学ぶ。日本文化に固有のセラピーとは何かについて、セラピストたちの探索の歩みを紹介する。土地に根差した治癒や身体技法、シャーマニズムなどにも焦点が当たる。さらに歴史と記憶、記憶の中の歴史がとくに、トラウマケアにおいてテーマとなる。 精神医療の内側からの改革の視点が出てきたことの意味を探る。また多様なアート表現は、文化の粋を集めたものである。アートセラピーという枠を超えて、ケアとの関連でアートの働きとは何かにも注目したい。そして、生活者の視点への回帰から生じた当事者文化、微視文化への注目と自己治癒的コミュニティの形成に焦点を当てる。 この増刊号では、以上のような観点をもとに人々が培ってきた文化の根底にあるものを見直し、もう一つの治療文化論構築への手がかりを提供したい。
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