フィールドと文献からみる日琉諸語の系統と歴史

多様な姿を見せる日本語・琉球諸語の諸変種。それらが分かれる以前の祖語の姿はどのようなものだったのだろうか。そこからどのような歴史変化が起こって、現在見るような動詞の活用や指示詞の体系は出来上がったのだろうか。また、諸変種はどのような順番で分岐し、その上でどの程度の接触・混交が起こったのだろうか。日琉諸語の分岐発展・歴史変化に、言語学的・統計学的手法で迫る意欲的な論文集。執筆者一覧：林由華、衣畑智秀、ペラール，トマ、五十嵐陽介、平子達也、斎藤成也、狩俣繁久、和智仲是、木村亮介、村脇有吾、ローレンス，ウェイン、佐々木冠、金田章宏、木部暢子 序詞　林　由華・衣畑智秀 第I部　系統を考える 第1章　日琉諸語の系統分類と分岐について ペラール，トマ（Thomas Pellard） 第2章　分岐学的手法に基づいた日琉諸語の系統分類の試み 五十嵐陽介 第3章「日本祖語について」と『日本祖語の再建』-その継承と発展のためにー 平子達也 第II部　系統研究の可能性 第4章　DNAと言語をつなぐ 斎藤成也 第5章　琉球諸語研究における方言系統地理学の可能性 狩俣繁久・和智仲是・木村亮介 第6章　方言群の時空間動態の統計的モデル化に向けての予備的考察 村脇有吾 第III部　諸方言から歴史変化へ 第7章　琉球諸語と上代日本語からみた祖語の指示体系試論 衣畑智秀 第8章　方言研究から歴史変化を、歴史変化から方言解明へ ローレンス，ウェイン（Wayne Lawrence） 第9章　不規則性の衰退ー日本語方言の動詞形態法で起きていることー 佐々木　冠 第10章　八丈語の古層 金田章宏 結詞　木部暢子