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出版社:ミネルヴァ書房
出版日:2021年03月10日頃
ISBN10:4623091236
ISBN13:9784623091232
販売価格:3,850円
「なぜ災害からの生存率・被災地の復興過程が地域により異なるのか」。本書は、この疑問を、東日本大震災を教訓として、政治学・社会学の領域から明らかにしたものである。個人・市町村・県といった単位に分け、岩手県・宮城県・福島県での各単位でのインタビューによる質的調査とデータを用いた量的分析を基に生存率と復興過程に関する地域格差を分析。地域コミュニティにおける今後の災害の備えを考える上で、多くの示唆が得られる一冊。(原書:Aldrich,D.P.(2019)Black Wave: How Networks and Governance Shaped Japan’s 3/11 Disasters, The University of Chicago Press.)
邦訳版刊行に寄せて
まえがき
第1章 東日本を襲った3重災害
1 東日本大震災と津波
2 原発事故
3 復興とレジリエンスの関係性
4 ネットワーク
5 ガバナンス
6 本書の構成
第2章 被災者個人レベルの分析ーー近隣住民同士の助け合い
1 津波からの避難
2 避難の状況とその問題点
3 避難所および仮設住宅での生活
4 故郷への帰還
5 社会的な絆と生活の質(QOL)
6 個人レベルの復旧の妨げとなったもの
第3章 市町村レベルの分析ーー支援を呼び込む垂直方向のつながり
1 自治体間のばらつき
2 死亡率の地域差の検証
3 ガバナンスに見られた変化
4 ソーシャル・キャピタルおよびガバナンスと復旧との関係
5 事例に見るネットワークを活用した革新的なガバナンス
6 結 論
第4章 県レベルの分析ーー復旧成果の明暗を分けたネットワークの力
1 被災3県の被害の比較
2 震災発生前の段階における防災対策
3 震災発生後の初期対応
4 震災後の復旧プロセス
5 福島県が抱える独自の課題
6 将来に向けての課題
7 福島県の未来
8 ネットワークとガバナンス
第5章 国家レベルの分析ーー日本政府のガバナンスに見られた変化
1 復興政策の判断方法と進捗状況
2 震災の前後における国民の政府に対する信頼の変化
3 創造力に富んだ日本政府の初動
4 従来型の政治への回帰
5 土建国家から脱却できない日本
6 既定路線に戻る日本のエネルギー政策
7 稚拙なガバナンスがもたらしたもの
8 国民と政府の間の溝を埋めるためにできること
第6章 国家間の比較による分析ーー国民の生死を分ける政府の対応
1 災害による被害の国際比較
2 ガバナンスと市民社会
3 考 察
第7章 信頼関係の構築と連携の強化
1 本書の分析概要
2 辺縁地域の人口減少・高齢化と経済の低迷
3 エネルギー政策
4 物的インフラ
5 ソーシャル・キャピタル
6 ガバナンスの課題
付 録
1 インタビュー訪問先
2 統計表
訳者あとがき
参考文献
索 引
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