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出版社:勉誠出版
出版日:2019年11月29日頃
ISBN10:4585227059
ISBN13:9784585227052
販売価格:3,520円
「驚異」と「怪異」に共通する「異」なるものへの視線は、自己と他者、自己と宇宙の境界認識によって形作られるものであり、自然の中での人間の立ち位置を映し出す鏡でもある。
その「驚異」と「怪異」の表象を、ユーラシア大陸の東西の伝承・史料・民族資料・美術品に探り、「自然」と「超自然」の境界領域、「この世」と「あの世」の心理的・物理的距離感、境界に立ち現れる身体・音・モノなどについて、総勢25名の豪華執筆者が学際的に考察する。
口絵/関連年表
序章ー自然界と想像界のあわいにある驚異と怪異 山中由里子
1 境ー自然と超自然のはざま
自然と超自然の境界論 秋道智彌
中国古代・中世の鬼神と自然観ー「自然の怪」をめぐる社会史 佐々木聡
怪異が生じる場ー天地と怪異 木場貴俊
百科事典と自然の分類ー西洋中世を中心に 大沼由布
怪物の形而上学 野家啓一
2 場ー異界との接点
平安京と異界ー怪異と驚異の出会う場所〈まち〉 榎村寛之
驚異の場としての「聖パトリックの煉獄」 松田隆美
怪物たちの棲むところー中世ヨーロッパの地図に描かれた怪物とその発生過程 金沢百枝
妖怪としての動物 香川雅信
イスラーム美術における天の表象ー想像界と科学の狭間の造形 小林一枝
歴史的パレスチナという場とジン憑き 菅瀬晶子
3 体ー身体と異界
妖怪画に描かれた身体ー目の妖怪を中心に 安井眞奈美
平昌五輪に現れた人面鳥の正体はー『山海経』の異形と中華のキワ 松浦史子
魔女の身体、怪物の身体 黒川正剛
中東世界の百科全書に描かれる異形の種族 林則仁
4 音ー聞こえてくる異界
西洋音楽史における「異界」表現ー試論的考察 小宮正安
カランコロン考ー怪談の擬音と近代化 井上真史
「耳」「声」「霊」-無意識的記憶と魂の連鎖について 稲賀繁美
釜鳴と鳴釜神事ー常ならざる音の受容史 佐々木聡
死者の「声」を「聞く」ということー聴覚メディアとしての口寄せ巫女 大道晴香
5 物ー異界の物的証拠
不思議なモノの収蔵地としての寺社 松田陽
寺院に伝わる怪異なモノー仏教民俗学の視座 角南聡一郎
民間信仰を売るートルコの邪視除け護符ナザル・ボンジュウ 宮下遼
異界としてのミュージアム 寺田鮎美
終章ー驚異・怪異の人類史的基礎 山田仁史
展覧会紹介「驚異と怪異ー想像界の生きものたち」
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