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出版社:人文書院
出版日:2018年02月28日頃
ISBN10:4409520695
ISBN13:9784409520697
販売価格:2,750円
1938年、京都の片隅で、その大学教員は治安維持法違反で逮捕された。クリスチャンながら共産主義を疑われ、特高の取り調べを受ける日々をコミカルに綴った表題作ほか、昭和史の核心を突くエッセイ群を収録。共謀罪成立の数年後を予兆する名著の新編。[解説=鶴見俊輔/保阪正康]
1 灰色のユーモア
プロローグ
第一章
とうとうやってきた/留置場というところ/治安維持法違反?/同志社との縁がきれる
第二章
永島孝雄のこと、スパイのこと/朝鮮人/人民シェンシェン/若い女性容疑者/私のことが右翼の新聞に/“クウトベ”/意図
第三章
下鴨から太秦へ/ミュンヒェン会談/退屈/たたかわなかったということ/さまざまなお客/検事の取調べ開始/母/いよいよお別れ
第四章
未決囚の苦痛/冬から夏へ/予審・潜在意識
第五章
判決/保護観察・就職/転向/『世界文化』のこと/新聞社・ドイツ大使館
2 私の昭和史
昭和初期の政治風景ー山本宣治と水谷長三郎
労働農民党・水谷長三郎の当選/“ダラ幹”の語感と意味/「山宣ひとり孤塁を守る」/「許してやれ!」と「許さん!」
『世界文化』とトーマス・マン
一九三五〜三七年ーファシズムと反ファシズムの時代/反ファシズムートーマス・マンと『世界文化』/アンドレ・ジッドの『ソビエト訪問記』/トーマス・マンをどう扱ったか/“亡命”か“国外移住”か
太平洋戦争下の抵抗ー明石順三の『灯台社』を中心に
戦時下抵抗と世代/革命と抵抗/宗教団体『灯台社』の抵抗/さまざまな抵抗の形/小山宗佑と桐生悠々
終戦の年、敗戦の年
“終戦”という表現/独逸文化研究所の思い出/敗戦まぢかのころ/玉音、そして……
3 スケッチ風の自叙伝
父と子/私にとってのキリスト教/入学・落第・特別及第/大正リベラリズム/大学生としての三年間/ドイツ語を教えながら/戦争がおわるまでの期間/戦後
亡命について 鶴見俊輔
註
註解 保阪正康
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