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出版社:共立出版
出版日:2008年03月27日頃
ISBN10:4320056663
ISBN13:9784320056664
販売価格:4,840円
構造生物学はいまや生命現象の理解や創薬、生物工学の発展のためになくてはならない分野であるが、非常に新しい分野であるため、わかりやすく解説された書が少ない。ましてや学部・大学院の講義で使えるように、基礎から説き起こし、構造解析法まで実例を豊富に織り込んで解説した書は皆無に近い。
構造生物学が生物学・生命科学において確固たる地位を占めるようになった今日、構造生物学を系統的に講義する必要はますます重要になっており、講義のテキストとして、学生の自習用として、本書がその役に立つことは間違いない。また、卒後、この分野を改めて学ぼうとする社会人にも適している。
付録のCD-ROMには、本書の全図が図説明とともに245パネルのPDFファイルに収録されている。そのなかの分子構造図の多数は、カラーのステレオ図であり、立体視を楽しみながら、理解を深められる。
第1章 構造生物学とは
第2章 タンパク質構造の成り立ち
I.タンパク質構造の階層性
II.1次構造
III.2次構造
IV.3次構造
V.フォールド
VI.4次構造
第3章 核酸の構造と認識
I.核酸分子の基礎
II.核酸の構造生物学はX線繊維回折に始まる
III.核酸の構成要素の構造
IV.核酸構造の基本となる二重らせん構造
V.二重らせんの大きな溝にもう1本の核酸の鎖がからみあい三重らせんを形成する
VI.脊椎動物の染色体の末端は四重らせん構造を形成しているかもしれない
VII.塩基の裏返り(flipping)による核酸の認識
VIII.ジンクフィンガータンパク質はDNAもRNAも認識する
IX.左巻きZ-DNAを認識するタンパク質
X.おわりに
第4章 構造決定法
I.X線結晶構造解析
II.NMR
第5章 基本的な2次構造をもつタンパク質
I.はじめに
II.2次構造の組合せによる3種類の基本的な立体構造
III.金属結合タンパク質
IV.おわりに
第6章 酵素による基質認識
I.はじめに
II.ブロメライン阻害タンパク質
III.サーモライシンの基質認識機構
IV.リゾチームの触媒機構
第7章 抗体および免疫細胞受容体の構造
I.はじめに
II.抗体の基本構造
III.抗原ー抗体相互作用
IV.抗体分子の応用と構造解析の役割
V.免疫系の細胞表面受容体
VI.立体構造でみる疾病のメカニズム(インフルエンザを例として)
VII.おわりに
第8章 構造生物学と薬
I.血液凝固と薬
II.HIVプロテアーゼ
第9章 膜タンパク質の構造
I.膜タンパク質の特徴
II.膜タンパク質の構造研究手法とその解析法
III.光イオンポンプ
IV.呼吸鎖
V.光合成
VI.細胞接着分子カドヘリン
第10章 計算機による構造予測法
I.はじめに
II.1次構造の相同性
III.2次構造予測
IV.3次構造予測
V.おわりに
付録1 Chou-Fasmanにおける2次構造予測の概略
付録2 GOR法における4つの2次構造に対する指向性寄与スコア
付録3 3D-1D法における環境クラスに対するアミノ酸残基スコア
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