拾遺和歌集と歌ことば表現

古今集、拾遺集、源氏物語研究等におおきな影響をあたえた、著者の単行本未収録論集・全3冊。 王朝文学全般にわたる、刺激に満ちた数々の論考は、縦横無尽に古典作品の魅力と問題点を伝える。 河添房江氏（東京学芸大学名誉教授）、渡部泰明氏（国文学研究資料館館長）推薦！ 本書は、『拾遺集』の史的位置づけ、成立した時代の動向、公任と『拾遺抄』、歌人論などを著者独自の視点で考察した『拾遺和歌集』論。 凡例 1●古今和歌集以後の和歌史の論 1　中古の和歌 2　王朝和歌の達成と変革 3　後拾遺集への階梯 4　和歌と貴族生活 5　古今六帖を読むー王朝歌語の追求ー 2●拾遺和歌集の論 1　拾遺抄と拾遺和歌集 2　拾遺集時代の和歌ー受領層歌人を中心とする一視点の設定ー 3　拾遺集の本質ー三代集の終結点ー 4　古今集的表現の継承 5　拾遺集四季歌の特性ー「冬」巻を中心にー 6　拾遺集恋歌の表現構造 7　拾遺集の詞書 8　拾遺集の人麿歌 9　説話文学に見られる拾遺集の歌 10　拾遺集の研究の現段階と展望 11　拾遺和歌集　いま何が問題かー「拾遺抄」との関わりでー 3●拾遺和歌集時代歌人の論 1　鶯宿梅の歌 2　うたびとー賀茂保憲女集ー 3　賀茂保憲女ーかなしき人ー 4　大江匡衡の和歌ー儒者における和歌の意味ー 5　歌の家の好士大中臣輔親ー平安朝中期歌人の一位相ー 6　兼澄集の諸本について 7　源兼澄論ノート　 8　兼澄集本文研究の現況 9　寛弘期の一受領層歌人ー藤原輔尹をめぐってー 10　拾遺集の公任の歌 11　藤原公任ー生と美学ー 12　白河山荘の梅の花ー藤原公任の歌一首ー 13　能因における〈すき〉の旅 4●秀歌撰の論 1　『三十六人集』に見る歌人意識 2　季節美と情念とことばー『百人一首』- 3　『宇比麻奈備』『百人一首古説』解説 5●女性文学の論 1　女流日記の世界 2　日記文学に見る信仰の諸相『蜻蛉日記』 3　蜻蛉日記の和歌と表現続稿ー道綱母と藤原兼家の贈答歌を支える歌ことばー 4　和泉式部日記　表現の論理 5　和泉式部歌語辞典 6　和歌という方法ー『紫式部集』の憂愁歌をめぐってー 7　紫式部の自然認識 初出一覧 解説（倉田実） 引用和歌初句索引