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出版社:クレヴィス
出版日:2020年11月17日頃
ISBN10:4909532501
ISBN13:9784909532503
販売価格:2,420円
『東京影絵』は、東京のいまを生きる19カ国・60人の外国籍の人々と、バリの伝統影絵を駆使する現代の影絵師・川村亘平斎によるセッションである。
舞台はパンデミック前夜の東京。
口上は彼・彼女らのセルフドキュメンタリー。
そして白い幕に、顔の肌理に、路上の闇に投射される影絵人形は、彼・彼女らの写身である。
成功を夢見る技能実習生、多様化する東京のムスリム、帰化を望む中国人女性…。 日本社会のウチ/ソトのあわいで揺れ動く「いくつもの東京」の顔がおが、この都市の実像と、やがてくる未来を語りはじめる。
「影絵のように、東京の未来が浮かぶ。きのうと明日の日本人が見える。」
赤坂憲雄(民俗学者)
「東京で暮らしている外国人は、この不思議に静かで、複雑に絡まった大都市についてどんなことを思っているのだろう。とても興味がある。
だって私たちは外国人に会う機会も少ないし、近所に住んでいる外国人と短い会話をする機会があったところで、彼らは日本人である私たちがドキッとすることまでは言わないだろう。
ご飯が美味しいですとか、治安が良くて安心ですとか、そういう当たり障りのない言葉が、光の当たる表の顔から聞こえてくる。路地裏に浮かび上がった影絵の顔は、どんな本音をしゃべってくれるだろうか。
彼らが日本に住んでいる理由はさまざまだ。自分の国では肌の色で人間扱いされないから帰りたくないという人もいれば、ドラマで見た世界に憧れて来たけどそのうち帰るつもりという人もいる。
どんな理由であれ、東京で暮らす間、心休まる(仮の)居場所を見つけてくれたらいいなと願う。彼らが漏らすユニークな言葉を読んでみて、東京をもっとよくするヒントは外国人が握っていると感じました。
外国人を邪魔者にするか、味方にするかは、彼ら次第ではなく、私たち次第なんだと思います。」
コムアイ(水曜日のカンパネラ)
『東京影絵』プロジェクトについて
インドネシアで影絵芝居ワヤン・クリットを習得した川村亘平斎と、キュレーターの宮本武典が、日本で生活する外国籍の人々の「東京」をめぐるオーラルヒストリーを影絵化する「東京ビエンナーレ2020/2021」参加プロジェクト。この10年で多国籍化が急速に進んだ東京。東京影絵クラブでは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会への邁進と挫折、その要因となったCOVID-19感染拡大により、歴史的転換点となった2020年の日本社会を、多様な視座からスクリーンに映し出しながら、母国語や根ざす文化が異なる私たちがともに生きる「あたらしい東京」への道筋を考えていきます。
プロジェクトページ:https://tb2020.jp/project/tokyo-shadow-theater-club/
著者インタビュー:https://note.com/tokyobiennale/n/n5466eaaee13c
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