犯罪・非行からの離脱（デジスタンス）

離脱（デジスタンス）の多面的で深い理解へ 犯罪や非行をしなくなること，しなくなっていくプロセスーー犯罪・非行からの離脱ーーが近年注目されている。離脱を多面的に深く理解するために，気鋭の社会学者たちが集結。離脱に関する言説の分析，インタビュー調査を用いた実態の分析，離脱や犯罪・非行に関する理論的な検討を平易に紹介する。 第1章　犯罪・非行からの離脱ーー研究の展開と背景 第1部　犯罪・非行からの離脱に関する言説 第2章　新聞報道記事に見る「立ち直り」 第3章　犯罪ないし非行からの立ち直り言説に関する歴史的検討ーー社会を明るくする運動を通して行われた法務省の活動に注目して 第2部　犯罪・非行からの離脱の態様 第4章　少年院ではどんなことがなされているのかーー少年院処遇の現状と課題 第5章　「離脱」の過程で保護観察が果たす役割ーー保護司の処遇実践に着目して 第6章　更生保護施設における処遇の専門性ーー薬物処遇重点実施更生保護施設で勤務する薬物処遇専門職員へのインタビュー調査を通じて 第7章　「問題者」を越える実践としての家族の記述ーー更生保護施設入所女性に着目して 第8章　薬物依存からの「回復」をめぐる困難ーー長所基盤モデルが見落としているもの 第3部　「犯罪・非行からの離脱」を問い直す視座 第9章　「離脱」研究における規範的定義論の不在を問題化するーーハームリダクション批判を通した覇権政治と境界政治の可視化 第10章　犯罪定義の批判的検討ーー離脱すべき「犯罪」は自明か