近現代日本 選択の瞬間

近現代日本史には、政治・外交・軍事・文化的な諸問題に直面したとき、それぞれの場で責任ある当事者により、重大な選択と決断が行われる場面がある。本書は、そういった瞬間の実態と背景、それによる歴史的影響を検討するものである。近現代の日本がいかなる選択と決断によって形成されてきたのか、政治家や実業家・教育者、さらには市井の庶民が、そのときにあたっていかなる努力を払ったのかを意欲的な論考の数々から明らかにする。 序　章 「選択」と「決断」の近現代日本　　　　　　　　　小林和幸 1　西洋との対峙、規範・慣習の再構築 　第一章　小笠原諸島問題と万国公法　　　　　　　　　　　小野聡子 　　　-明治丸とイギリス軍艦カーリュー号出航のときー 　第二章　昭和初期までのチップ慣習の変化　　　　　　　　平出裕子 2　大正・昭和戦前期、政治理念の模索 　第三章　青年華族とデモクラシー　　　　　　　　　　　　内藤一成 　　　-子爵三島通陽の思想的軌跡を通じてー 　第四章　新渡戸稲造の門下生たち　　　　　　　　　　　　古川江里子 　　　-時代と対峙したエリートたちー 　第五章　「天皇機関説」排撃問題と貴族院　　　　　　　　小林和幸 　　　-「政教刷新ニ関スル建議案」と院内会派ー 3　社会変革をめぐる人々の葛藤 　第六章　「戦争画」に関する一考察　　　　　　　　　　　板谷敏弘 　　　-東京都現代美術館の絵はがきを中心にー 　第七章　開発を受け入れた人びと　　　　　　　　　　　　中園　裕 　　　-青森県上北郡六ヶ所村民の選択と決断ー 【研究輯録】 　第八章　開国への決断　　　　　　　　　　　　　　　　　嶋村元宏 　　　-阿部正弘の選択ー