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出版社:共和国
出版日:2021年06月08日頃
ISBN10:4907986114
ISBN13:9784907986117
販売価格:3,960円
義務教育はもちろん、「ヨットスクール」から大相撲やサッカーをはじめとするスポーツの現場で、いまもしばしば問題になる「体罰」。海外では宗教コミュニティで形成される道徳や倫理規範が、なぜ日本では公教育で担われるのか。それは儒教や武士道、軍国主義などの歴史に淵源を持つものなのか?
カリフォルニア在住の気鋭の日本研究者が、豊富な資料や日本国内でのフィールドワークを通して検証する、日本の体罰の現実とその実態。体罰論であるだけでなく、すぐれた日本論ともなっている。
日本語版への序文 011
序章
1 体罰をめぐる三つの事件
2 体罰とはなにか
3 日本の体罰を研究する意義
4 本書のねらいと概要
第1章 人類学と体罰
一 体罰根絶に向けた世界の動き
二 体罰研究における人類学の有用性
第2章
日本の体罰史ーその重層性
一 近代以前の日本の体罰
二 戦前の体罰禁止法
三 戦後の体罰禁止法
四 戦後体罰の構築過程
第3章 体罰とコンテクスト
一 コンテクストの重要性
二 規律訓練の諸様式
三 規律訓練とジェンダー
四 規律訓練の場
五 誰が規律訓練を課すのか
六 規律訓練の「言語」
第4章 倫理
一 対立する教育観
二 善悪をめぐる議論
三 体罰肯定論
四 体罰否定論
第5章 体罰の原因と文化の複数性
一 世界の体罰観
二 体罰の構造的要因
三 体罰の文化的要因
四 文化主義を越えて
第6章 権力の言説、言説の権力
一 歴史的・通文化的分析の重要性
二 権力・暴力・身体に関する諸理論
三 沈黙・言語・行動
終章 「暴力的文化」の神話
補論 アメリカ合衆国における体罰
資料1 精選体罰関連研究リスト(1979〜2008年)
資料2 日本の主要な体罰事件(1976年〜2010年)
注
参考文献
訳者あとがき
索引
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