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出版社:有志舎
出版日:2014年03月01日頃
ISBN10:4903426815
ISBN13:9784903426815
販売価格:3,960円
1930年代以降、満洲事変から満洲国建国、日中戦争、アジア太平洋戦争へと東アジアは激動の時代を迎える。そのなかで東アジアの知識人たちは、それぞれに戦争への向き合い方を模索していき、ファシズム思想や社会主義思想、東亜協同体論など様々な思想が交錯する。そして、転向して戦争協力へと進む者、戦争や植民地支配に反対し抵抗の道を選ぶ者、あるいは日本への戦争協力を民族のためだと自己欺瞞していく者など、知識人たちは複雑な軌跡を描いていく。様々な「知」の交錯と対立・融合を描き出す戦時下の思想史。
総論 戦争と向き合って 安田常雄
1 昭和維新と農本主義
橘孝三郎ーー日本の〈救済〉を追求しつづけた農本主義者ーー 岩崎正弥
北 一輝ーー「中国」そして「亜細亜」-- 萩原 稔
朝鮮農民社の知識人たちーーその多面性ーー 松本武祝
晏陽初と陶行知ーー平民教育から農村改良へーー 山本 真
2 社会主義の思想
陳独秀ーー永遠なる反対派ーー 緒形 康
白南雲ーー普遍としての〈民族=主体〉-- 洪 宗 郁
戸坂 潤ーージャーナリズム論の先駆者ーー 根津朝彦
人民戦線の人々--中井正一と仲間たちーー 後藤嘉弘
ホー・チ・ミンーー民族と階級の相克の中でーー 古田元夫
3 転向・協力・抵抗
市川房枝ーー「帝国のフェミニズム」の陥穽ーー 加納実紀代
崔 麟ーーある「モダンボーイ」の肖像ーー 川瀬貴也
汪精衛ーー対日協力を選んだ「革命家」-- 劉 傑
林献堂ーー台湾人良心の体現者ーー 許 雪 姫
4 満洲建国と東亜協同体論
三木清と尾崎秀実ーー孤立する知識人と「東亜協同体論」 太田亮吾
石原莞爾ーードイツ軍事史研究から最終戦争論へーー ティノ・シェルツ
橘 樸ーー日中そしてアジアと世界のありうべき途を求めてーー 山室信一
東亜聯盟運動に参加した朝鮮人ーーソウ寧柱と姜永錫ーー 松田利彦
朴錫胤ーー植民地期最高の朝鮮人エリートーー 水野直樹
5 非転向と粛正
明石順三ーー知識人の信仰と責任ーー 趙 景 達
金天海ーー在日朝鮮人大衆と共に生きた社会運動家ーー 樋口雄一
国崎定洞ーー亡命知識人の悲劇ーー 加藤哲郎
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