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出版社:緑書房
出版日:2022年01月06日頃
ISBN10:4895317765
ISBN13:9784895317764
販売価格:7,700円
臨床獣医師はマニュアルどおりに治療をこなすのではなく、多面的な視点をもたなければならず、「そもそもこの病気に治療は必要か?」「治療しないとどうなるか?」「なぜその薬を選択するのか?」「その治療によってどのような利益が得られるのか?」「不利益は生じないか?」「最終的に患者の幸せにつながるのか?」という考えを常にもちながら、治療を選択しなければならない。
本書は、治療を進める際に不確実性をどう取り扱い、どのように意思決定を行うのかといった「治療推論」に焦点を当て、実際の治療の流れにあわせて解説。概念図や表を多用しながら、治療に関する意思決定や実行、治療効果の評価・副作用の判定・モニタリング、EBM(evidence-based medicine)の実践の仕方などを明瞭に解説し、現代の臨床獣医師が取り入れるべき思考法を紹介。
本書の内容を日常診療に取り入れることで、普段当たり前のように行っている治療を見直す機会になり、経験のない治療を実践に移す際の手引きにもなる。診療現場に出始めてから日の浅い獣医師、後進の指導にあたる獣医師におすすめの一冊。
※姉妹本『ここからはじめる犬と猫の臨床診断学』とあわせて読むことで、「臨床推論」のスキルを診断学と治療学の両面から理解できます。
臨床治療学を学ぶことで……
・治療の目的や目標、注意点が明らかになる
・理論を踏まえ、何度も実践することで、より良い治療が行える
・治療内容について患者の家族との共通理解が深まる
・「何となく」が整理・解消され、内省できる
Chapter 1 適切な治療のための基礎知識
1-1 患者に適した診断と治療のバランスを考えよう
1-2 治療のプロセスと目的を明確にしよう
1-3 治療の種類を知ろう
Chapter 2 正しい予測をするために
2-1 なぜ予測が必要か
2-2 予測に必要な情報と判断を歪めるバイアス
Chapter 3 治療効果と安全性
3-1 治療の効果と安全性の捉え方
3-2 治療の情報を受け止める際の注意点
3-3 治療に関する情報源
Chapter 4 治療に関する意思決定
4-1 意思決定へのアプローチ法
4-2 臨床倫理の4分割法〜意思決定の要因を整理する〜
4-3 意思決定を実践する
Chapter 5 治療を実行するために
5-1 治療計画を立てる
5-2 薬の上手な使い方「10カ条」
Chapter 6 治療の省察
6-1 治療効果を評価する
6-2 副作用を判定する
6-3 モニタリング
Chapter 7 EBMの5 つのステップ
7-1 EBM とは何か?
7-2 ステップ0「分からないことの自覚」
7-3 ステップ1「患者の問題の定式化」
7-4 ステップ2「問題についての情報収集:どんな情報を探すか」
7-5 ステップ2「問題についての情報収集:どうやって情報収集するか」
7-6 ステップ3「情報の吟味」
7-7 ステップ4「臨床判断と実践」
7-8 ステップ5「振り返り」
付録:臨床推論の実践例
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