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出版社:ひつじ書房
出版日:2019年02月25日頃
ISBN10:4894769719
ISBN13:9784894769717
販売価格:3,300円
江戸川乱歩は欧米においても大衆文化やモダニズムとの関連で再評価がなされつつある。また乱歩の旧蔵資料、草稿・ノート・メモ等の自筆資料はほぼ完全なかたちで保存されており公開への期待も高い。そうした状況を踏まえ、本書では世界文学としての乱歩を再考するとともに旧蔵資料、自筆資料を広く活用したテキストの読み直しを行う。
執筆者:Seth Jacobowitz、大森恭子、韓程善、浜田雄介、石川巧、落合教幸、金子明雄、川崎賢子、小松史生子ほか
I 海外における江戸川乱歩研究
江戸川乱歩における閉所嗜好症と視線 セス・ヤコボウヴィツ
乱歩・声・モダニティの音風景 大森恭子
乱歩と出版広告ー一九三一年、平凡社『江戸川乱歩全集』の新聞広告と「大乱歩」の誕生 韓程善
中国における戦前推理小説の研究・翻訳事情ー江戸川乱歩を中心に 銭暁波
コラム 「黒蜥蜴」における倒錯の系譜ー江戸川乱歩から三島由紀夫へ スティーブン・ドッド(訳 川崎賢子)
II 江戸川乱歩所蔵資料を用いた研究
Πの領分 川崎賢子
江戸川乱歩所蔵本・海軍外郭団体雑誌『くろがね』を読む 石川巧
江戸川乱歩資料に見る、「類別トリック集成」の成立ー『奇譚』、映画論から「トリック分類表」へ 落合教幸
江戸川乱歩旧蔵本小考ー『安政雑志』と『藤岡屋日記』 丹羽みさと
III 江戸川乱歩のテクストを読み直す
探偵小説のジャンル言説と読者像ー江戸川乱歩を中心に 金子明雄
探偵小説の風景ー乱歩的パースペクティヴの誕生とその展開 小松史生子
乱歩とアダプテーションー加藤泰『江戸川乱歩の陰獣』におけるメディア/ジャンルの交錯 井川理
江戸川乱歩における戦後ミステリの復興ーエログロをめぐるジャンルの政治学 柿原和宏
江戸川乱歩と〈不気味なもの〉 -乱歩テクストにおける「不気味」の抹消 栗田卓
江戸川乱歩と進化論 浜田雄介
コラム 舞台と映像のなかの乱歩 神山彰
IV シンポジウム 江戸川乱歩のモダニティ
セス・ヤコボウヴィツ、大森恭子、浜田雄介、韓程善 司会・川崎賢子
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