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出版社:東宣出版
出版日:2019年06月26日頃
ISBN10:4885880971
ISBN13:9784885880971
販売価格:2,310円
ごろごろする石。乾いた土。ながれる川の、吹いてくる風の、音。土や緑の、山羊や牛の、マッチの、におい。遠くないところで戦争があり、でもここには、べつの戦いがある。べつの剝きだしの生が、ある。
(帯文/小沼純一)
「火でも焚いてみるか?」「あたし、何も持ってない。あんたは?」「あるとも」--山羊の番をする少女のもとに、どこからともなく現れた14歳の少年。風の強い丘の草地、赤い燐マッチで火を熾した二人は隣どうし寝そべり、小石なみにカチカチのチーズを炎でとろりとさせパンにぬって食べる……。夕暮れどきの情景が、香りと音をともない彩り豊かに立ち現れる(表題作「パストラル」)。規範的なフランス語と異なるスイス・ロマンドの地理に即した文学言語をもちい、恋、老い、農家のくらし、山の民話など、人間と、人間を取り巻く世界の根源的な姿を映し出す20作品。
パストラル
農村の年寄り
湖の令嬢たち
日照り
使いの者
居酒屋の老人たち
香具師一家の休息
助けを求めて
野生の娘
山にひびく声
フォリー姿の物狂い
森での一幕
眠る娘
恋
三つの谷
田園のあいさつ
漁師たち
ぶどう作り
恋する女の子と男の子
農家の召使い
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