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出版社:三元社
出版日:2019年07月15日頃
ISBN10:4883034909
ISBN13:9784883034901
販売価格:4,620円
「一文無しになるまで、この絵は絶対に手放しません」
《コンポー トのある静物》を所有していたゴーギャンにこう言わしめたセザンヌは、いかにして近代絵画の父と呼ばれるようになったのか?
近代絵画の始祖として、世界的に認識されているセザンヌ。この概念 は誰が作り、どのように継承されてきたのか?フランス語圏、 英語圏、 ドイツ語圏、日本におけるこの〈近代絵画の父ーセザンヌ〉像の形成過程に5人のセザンヌ研究者が迫る。 つづく第二部では、セザンヌに関 する基礎概念と諸情報を多面的に編纂。 生誕180年を記念する本書は セザンヌ芸術の理解に必携の「セザンヌ大全」である。
まえがき 7
第一部─セザンヌー近代絵画の父、とは何か? 9
序論 「近代絵画の父ーセザンヌ」とは何か? を問うことの意味 永井隆則 11
ピカソと師セザンヌ、近代性への道 イザベル・カーン 25
英語圏における〈近代絵画の父セザンヌ〉像の形成と展開 浅野春男 37
セザンヌのりんご 工藤弘二 61
ポール・セザンヌは、いつ、どのようにポスト印象主義者となるのか?
ーマイア=グレーフェのセザンヌーマレー比較論 大木麻利子 85
「近代絵画の父ーセザンヌ」像は、日本で如何にして形成されたか? 永井隆則 127
第二部─セザンヌ基礎知識 1 [第一部と逆、巻末より始まる]
1 セザンヌ芸術の基礎概念 3
「印象主義を美術館の芸術のように堅固で永続的なものにしたかった」 3/「自然に即してプッサンをやり直す」 5/「自然を円筒、球、円錐によって扱いなさい」 8/自然 15/印象主義 20/感覚の実現 24/気質 27/技法 29/主題 49/ジェンダー 51/水彩画 55/模写素描 57/美術館 59/サロン 60/美術学校 62/アトリエ 63/思想 66/政治 69/宗教 72
2 セザンヌの人生 74
家族 74/ゾラとの友情 79/画家仲間 82/セザンヌと交流した人々 88/教養、趣味 95/病気、死 98
3 セザンヌ研究の方法 101
セザンヌ研究の基礎資料 101/形式主義 105/現象学 110/精神分析 112/受容 115/セザンヌ批判 117/セザンヌ礼讃 120/社会史 124/ジョン・リウォルド 127/メイヤー・シャピロ 129
4 セザンヌが生活し制作した場所 131
5 セザンヌと同時代の批評家たち 137
6 セザンヌのコレクターたち 142
7 セザンヌ展の歴史ー生前と没後から現在まで 159
8 セザンヌ油彩画、所蔵先国別一覧表 164
9 セザンヌ文献表 I.方法論文献表 II.言語別文献表 190
人名索引 214
引用図版出典一覧 224
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