「都市再生」がまちをこわす

本書では、第一部で「都市再生」の現在とその背景、問題点などを、財界の戦略、政府、地方自治体、法制度との関わりを含めて明らかにした。第二部では、研究スタッフの実地調査に基づいて、都心部、臨海部、周辺部および関西圏における「都市再生」の事例を紹介し、問題点の指摘と提起を行った。あわせて自主的なまちづくりに取り組んでいる住民運動のいくつかにも視点を当てた。また、「都市再生」の基盤整備の要とされる三環状道路に焦点を当てつつ、道路問題に関する基本的見解を示した。第三部では「私たちが住みたい都市」の姿を描き、それを実現するための住民が主体となったまちづくりの方向、都市問題解決への道を提起した。