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出版社:影書房
出版日:2016年12月27日頃
ISBN10:4877144676
ISBN13:9784877144678
販売価格:4,620円
東アジアで朝鮮戦争はじめ、再び"熱い戦争"が起きていた時代、 反戦・平和、抵抗と民主主義を模索する人びとの拠点として「サークル文化運動」が興った。筑豊、東京南部・京浜、四日市の労働者、広島・長崎の被爆地、結核療養所、都心部の職場で。そこに、上野英信、谷川雁、木下順二、鶴見和子といった文学者や桂川寛といった画家、または政党の文化部などもかかわった。詩・小説・ルポルタージュ・版画・幻灯などの創作を通じ、人びとは集い、話し合い、民主主義を実践していった。
本書は、敗戦後1940年代後半から冷戦期の前、1950年代前後のサークル文化運動に関する論文・9本、コラム11本、シンポジウム「サークル誌をどう読むか」の記録を収録。戦後民主主義の黎明期、新しい時代を模索した人びとの姿を浮かび上がらせる。
第1章 一九四〇年代後半のサークル運動……宇野田尚哉
-職場サークルを中心に
コラム1 日本美術会と職場美術……徐潤雅
第2章 東アジアの「熱戦」とサークル運動……黒川伊織
-朝鮮戦争下の抵抗の経験
コラム2 サークル誌生産の物質的基礎としてのガリ版……道場親信
第3章 在日朝鮮人のサークル運動……宇野田尚哉
-大阪朝鮮詩人集団『ヂンダレ』を中心に
コラム3 内部者たちの言葉……田代ゆき
第4章 東京南部のサークル文化運動……道場親信
-地域サークルと運動のネットワーク
コラム4 京浜のサークル運動……根津壮史
第5章 被爆地広島のサークル詩誌の軌跡……川口隆行
-『われらの詩』から『われらのうた』へ
コラム5 長崎における原爆体験とサークル運動……楠田剛士
第6章 サークル誌ネットワークの可能性……鳥羽耕史
-『人民文学』と『新日本文学』から見る戦後ガリ版文化
コラム6 国民文化会議とサークルネットワークの全国化……水溜真由美
第7章 「サークル村」に関する私的回想と研究の現状……坂口 博
コラム7 上野英信とサークルネットワーク……茶園梨加
コラム8 療養所の詩サークルと工作者たちーー大谷浩之と谷川雁……米谷匡史
第8章 サークル運動の中の生活記録……中谷いずみ
コラム9 生存権、コミューン、そして詩ーー一九五〇年代の療養所サークル
……有薗真代
第9章 版画運動とサークルー北関東版画運動を中心に……友常 勉
コラム10 幻灯と戦後サークル文化運動……鷲谷 花
コラム11 「戦後文化運動合同研究会」について……道場親信
第10章 シンポジウム サークル誌をどう読むか
参加者:道場親信(司会)、佐藤泉(発題者)、坪井秀人(発題者)、池上善彦、中谷いずみ、
鳥羽耕史、宇野田尚哉、坂口博、川口隆行、黒川伊織、竹内栄美子、水溜真由美、申知瑛
引用・参考文献一覧
戦後サークル文化運動略年表
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