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出版社:岩田書院
出版日:2008年09月
ISBN10:487294528X
ISBN13:9784872945287
販売価格:9,790円
但馬国の庄屋・西村次郎兵衛が、子孫のために安永8年(1779)に書き残した公私にわたる心得書『家風親子茶呑咄』(編者所蔵)を影印で収録し、解説を付す。作者については、いまのところ、本書から判る範囲でしか判明しないが、代々庄屋職を継ぐ家に生まれ、若くして両親に先立たれ、幼少より辛酸を嘗めたようである。全体を26章に分かち、教訓書としてはかなり大部で、学者の説く観念的な教訓ではなく、実体験に裏打ちされた庄屋の知恵が凝縮されている。家や家業を存続させつつ、子々孫々まで一族が繁栄するための日頃の心懸けや、村政の責任者たる自覚と行動のあり方を、微に入り細を穿って書き尽くした「庄屋マニュアル」。本書はまた「生活マニュアル」でもあり、西村家の生活を彷彿とさせる。なかでも、子どもの金銭教育や妾の問題など、学者の教育論にはまず見られない独自の主張も見え、子育て書としても異彩を放つ。解説は50ページにおよび、各章の要点を記し、重要な箇所は意訳を掲げ、内容の理解を助ける。
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