|
出版社:大阪大学出版会
出版日:2019年11月05日頃
ISBN10:4872595459
ISBN13:9784872595451
販売価格:2,860円
グローバルな社会において、自由とは何か?公共政策はいかにあるべきか?
本書では、「自由」の概念から人権を国際的に保障するための国連やEUの法制度を議論し、家族形成・人種差別・難民に関する各論的な問題を考える。さらに、自由の共有を保障するための取り組みとして、移民政策・女性解放政策・社会保障政策を紹介する。グローバルな視点と身近なコミュニティの視点から公共政策のあり方を模索するシリーズ最終巻。
第1章 「自由」の概念と「積極的自由」の保護可能性
1「自由」の概念
2自由の範囲の画定方法
3「積極的自由」の保護可能性
4格差の是正可能性
●利益誘導型政治の克服に向けて
第2章 国際人権レジームの拡大とその効果
1国際人権レジームの「黄昏」
2グローバル化と人権基準の変動
3抑圧国側の視点
●人権をめぐる国際関係理論のさらなる発展に向けて
第3章 EUにおける基本権保障ー 国内法上の保護水準との関係を中心にー
1序ー多元的法秩序における基本権保障とその課題
2EU法上の基本権保障の発展とその意義
3構成国の行為に対する基本権適合性審査をめぐる諸問題
●結語ー裁判所間の対話を通じた調整の重要性
第4章 家族形成の多様化・自由化と法的公序
1結婚の国際化
2グローバル社会の生殖ツーリズム
3同性婚家族の法的承認
●「家族の多様化・自由化を支える」法への期待
第5章 人種差別撤廃条約と日本の社会の変容
1人種差別撤廃条約への加入と日本社会の動向
2私人間の差別の禁止
3ヘイトスピーチの規制
●諸価値の調整の必要性
第6章 難民の国際的保護政策
1難民とは?
2国際的な難民の現状
3国際的保護の分類
4国際的保護政策の現状:カナダの事例
●国際的保護政策の課題
第7章 インターカルチュラル・シティの可能性と問題点
1インターカルチュラリズムの背景
2統合主義とその問題点
3多文化主義とその問題点
4インターカルチュラリズムの登場
5インターカルチュラル・シティとインターカルチュラル政策
6インターカルチュラリズムの問題点とその克服にむけて
●インターカルチュラリズムの有効性
第8章 国際的な人の移動の潜在力と持続可能な移民政策
1国際的な人の移動をめぐる世界の潮流
2日本における外国人政策の変化
3外国人技能実習制度の現状
4外国人労働者の受入れが地域労働市場にもたらす影響についての理論的考察
5外国人労働者の家族の社会統合ー外国にルーツを持つ子どもたちの教育問題
●日本社会と外国人の新時代
第9章 ジェンダーに基づく暴力からの解放と社会変革を求めるアフガン女性の活動
1アフガン社会におけるジェンダーに基づく暴力
2粘り強く続くアフガン女性運動ー暴力からの解放と女性の教育を求めて
3女性の英知から生まれたEVAW法
●活動する女性の働きからアフガン社会を展望する
第10章 抵抗と救済ー大正米騒動ー
1社会保障を考え直す
2米騒動の顛末
3救済事業の拡大
●抵抗と救済
|