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出版社:みずのわ出版
出版日:2022年05月24日頃
ISBN10:4864261024
ISBN13:9784864261029
販売価格:1,320円
宮本常一の文章には古い言葉、難しい言い回しが多く、現代人が読み込むにはかなりの知識と根気が要る。
「宮本常一ふるさと選書」は、小学校高学年から読めることを意識して編集した。そうすれば大人も読めるものになる。一部表記を改め、漢字にルビ、難しい用語に解説をつけ、写真や絵を挿入して文章のイメージが膨らむよう工夫した。すなわち現代語訳である。
第1期の5冊は、周防大島の生活誌と、宮本の家族にふれたエセイを収録すると決めている。宮本が遺した膨大なエセイの中でも、ふるさと大島の今の子供たちに読んでほしい、美しい文章に特化した選書を編んで残したいと考えたからである。
本書(第2集)に収録した「私のふるさと」は、ふるさと大島の風光と暮し、集落の変遷を自身の子供時分に遡って情感豊かに描出したエセイで、宮本40歳の秋(1947年10月)に認められた。このエセイを最終章に収録した「宮本常一著作集21 庶民の発見」(未來社、1976年)の「はじめに」で、「私のふるさとをかたることによって、民俗事象がどんなに生活の中に存在し、また変貌していきつつあるかを見ていただきたいと思ってつけ加えた」と宮本は記す。
私のふるさと
一 宮の森
家のまわり/鳥・蝉・烏/木の実/森の古木/記念碑と芝居小屋/小学校/絵馬/風の音と波の音
二 渚にて
新宮島/干潟の生き物/渚に来るもの/カニとたわむる/磯あそび/小さな島の歴史/ある老人の死
三 故里だより
風と海と/石垣を築く/山より下る/凪ぎの海
四 村の家
昔の商法/一人の娘/新開地と店屋/化物の出る場所/最近の変化
解説・宮本常一が書き遺したふるさと大島の変化(柳原一徳)
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