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出版社:近現代資料刊行会
出版日:2022年10月31日頃
ISBN10:4863645740
ISBN13:9784863645745
販売価格:7,700円
1973年に設立され、2023年に創立50周年を迎える「社会事業史学会」。学会創立50周年を記念し、学会員の総力をもって創りあげた論文集である。
学会の基本理念を具体化すべく、全会員に呼びかけ公募によって選定された44本の論文を収録する。
各論文の主要テーマは社会福祉における「歴史研究と方法」。各論文は、歴史研究の「方法論」を自覚し先行研究の検証と執筆者自らの研究実績を顧み、今後の専門的研究の展望を拓くことを趣旨として執筆されている。
第1巻の論点は、社会福祉の思想・価値・規範/宗教/人物史/当事者性/言説分析/海外福祉。広がる多様かつ多義的テーマが語る、社会事業史学会の歴史研究の推移と現状および今後の展開。
第1巻《思想・海外》
1 社会福祉の思想・価値・規範 歴史のなかでいかに問うのか
・福祉思想の史的研究方法論の全体構造化《加藤博史》
・社会事業史研究の経緯と方向性ー三つの位相という観点から《細井 勇》
・「福祉思想史」研究に関する一考察ー「新たな価値」に基づいた社会を変革する思想に着目して《金子光一》
2 思想としての宗教が問うもの
・日本仏教福祉史研究の方法と課題ー研究の視点と方法をめぐって《長谷川匡俊》
・前近代仏教福祉史研究の課題設定をめぐる問題点《宮城洋一郎》
・吉田久一による社会事業史研究の成果及び継承と克服ー宗教についての記述を中心に《杉山博昭》
・仏教社会事業史からみた「福祉をめぐる公共空間」と社会倫理《井川裕覚》
・キリスト教社会福祉の探求ー戦後の議論と歴史研究の方法的課題《永岡正己》
・キリスト教と福祉史研究ー方法論のふり返りと展望《田中利光》
3 人物史研究がひらくもの
・社会事業史、人物論の可能性を求めてー近代国家を背景とする再検討《小野修三》
・報徳仕法としての農村社会事業ー勝間田村児童保護事業と飯田栄太郎《畠中 耕》
・女性史研究と社会事業史研究の交差点への探求ー「博愛社」に捧げた大嶽節子のHer Storyを通して《今井小の実》
4 当事者視点への接近
・ソーシャルワークと歴史研究方法ー援助される側の「物語り」の成立の可能性《木原活信》
・歴史研究における個人情報保護と個人の視座のもつ可能性ー障害者教育・福祉史分野から《佐々木順二》
5 言説分析の可能性
・社会福祉史における構築主義と言説分析の可能性《野口友紀子》
・前近代の福祉の視点を求めてー中世移行期の日記から《大嶌聖子》
6 海外社会福祉歴史研究の方法
・アメリカ社会福祉の歴史研究の回顧と展望《西崎 緑》
・ドイツの社会政策史研究について《北村陽子》
・日本におけるドイツの社会福祉史研究の振り返りと展望ー教育史研究とのかかわりに焦点をあてて《杉原 薫》
・ドイツ病院社会事業の成立史研究における国際的意義《島野麻里子》
・植民地朝鮮における「近代化」「近代性」をどう捉えるかー社会事業史研究と「植民地近代」田中友佳子》
・戦後、東アジア社会福祉歴史研究の方法と視座《大友昌子》
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