中世城館の実像

全国に数万も残る中世の城館に、村落や寺院との関係を見出し、民衆の目線も取り入れて、軍事だけでは語れない城館の実態に迫る。考古学の方法をベースに、縄張り研究や文献史学の成果も組み込んで具体的に描いた城館の歴史像は、従来の軍事一辺倒のイメージを一新し、初学者が城館に向き合うための基本的な1冊となる。図書館必備の書。 序　章 　　第1部　城館と村落 第1章　中世の居館・寺そして村落ー西国を中心としてー 第2章　居館と村落ー近江を中心とした分類の試みー 第3章　民衆と城館ー竪穴遺構を中心にー 　　第2部　居住性と戦争 第1章　居館と詰城ー発掘成果から見た山城の成立過程ー 第2章　山城に住む女性 第3章　烽と鐘 第4章　中世城館遺跡から戦争は語れるか 　　第3部　城館と生産 第1章　中世城館と生産遺跡 第2章　中世城館遺跡から出土する土錘ーその集成を中心にー 　　第4部　寺と城 第1章　白山平泉寺とその時代 第2章　吉崎御坊の構造ー縄張りの視点から見た現地遺構ー 第3章　戦国近江の寺院と城郭ー敏満寺遺跡を理解するためにー 付　論　敏満寺城 第4章　観音寺城と観音正寺 第5章　戦国の城・山科本願寺 参考文献一覧／索引