相模の古代史

限られた文献史料と考古学の成果を対話させながら、これまでの相模の古代史の見直しと古代地域社会の全体像に迫る。郡家の政庁や正倉群、厨家などの構成を復元するだけでなく、その周辺の寺院跡、祭祀場跡、工房跡、水陸の交通路や施設とのつながりを追い、郡司たちの存在や役割を有機的に押え、加えてその周囲の集落や自然利用なども分かるようなトータルな景観の理解を目指す本書は、古代の地域史研究を推進するための道標となる。 序ー『神奈川県史』から木簡研究へー 　　1　古代の木簡 1　古代相模の木簡とその意義ー小田原市千代南原遺跡木簡の位置づけー 　　補論　居村木簡と古代の放生会・饗宴ー山下信一郎・笹生衛各講演のコメントー 2　下曽我遺跡と出土木簡 3　千代南原木簡と古代地域史ー千代南原遺跡と出土木簡の意義ー 4　奈良県石神遺跡出土の「諸岡五十戸」木簡 　　2　郡家・寺院・祭祀 5　南武蔵と大和王権 6　相模国高座郡家の世界ー郡家の成立と郡家域の景観ー 7　古代相模の地方寺院と首長ー茅ヶ崎市下寺尾廃寺をめぐってー 8　木製祭祀具と古代の祭祀・郡家 　　　　-神奈川県寒川町小出川河川改修関連遺跡群出土の木製祭祀具ー 　　3　地域史像と渡来文化　 9　古代の相模国ー郡家・国府をめぐる地域史像ー 10　古代東国の渡来人と渡来文化ー地域の交流と変革とー 11　古代・中世の神奈川と朝鮮文化 12　地域史と地域博物館の役割ー現状と課題、次のステージー