「ただ人間であること」が持つ道徳的価値

功利主義的発想に基づいた種差別批判の誤謬を暴き、人間の道徳的平等に基づいた民主主義論を展開。文学が果たす役割についても論及。 第1部　人間であることの道徳的意味 第1章　種差別批判に対するバーナード・ウィリアムズの批判ー道徳哲学に関する本書の基本的立場 第2章　魔術からの解放後の道徳哲学の在り方ー今・ここに生きる人間の視点 第3章　ウィトゲンシュタイン、シモーヌ・ヴェイユとストローソンの洞察の意義ー魂に対する態度と相互性 第4章　コーラ・ダイアモンドの立場ー道徳的想像力の役割と意義 第5章　道徳哲学における文学の積極的寄与と優生思想ー共通の人間性と他者の絶対的他者性 第6章　アイリス・マードックの哲学ーその基盤的重要性 第7章　経験科学が具体的事例を通じて示すものー人間の絆の重要性 第2部　目指すべき民主主義ー平等な参加 第3部　民主主義の実現の緊急性ー人類の危機 第1章　核抑止論の致命的欠陥 第2章　なすところもなく破滅への道を歩む私たち 第3章　民主主義のインフラ整備ー余裕と相互信頼 最後に　現実の困難さに向き合うことー人々の連帯