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出版社:八木書店
出版日:2017年10月10日頃
ISBN10:4840622221
ISBN13:9784840622226
販売価格:11,000円
古墳から飛鳥時代に、地方支配の中核を担った国造制と部民制に注目し、大和王権による列島支配の実態を、15本の論考と3本のコラムで解明。史料編として、部民制・伴造制の文献目録・関連史料集を付す。
【国造制と部民制】
王権は支配下に入った有力豪族を国造(くにのみやつこ/こくぞう)という地方官に任命し、その地域の支配権を認める代わりに、物資や労働力を徴発した。また、地方から中央に上京して王権に仕える人々や、そうした人々を輩出した地方の集団を部民(べのたみ/べみん)として編成した。たとえば、出雲国では出雲臣が国造に任命され、配下の集団が額田部(ぬかたべ)臣・日下部(くさかべ)臣・刑部(おさかべ)臣に編成され、その中から額田部・日下部・刑部が中央に出仕した。このように国造制と部民制は、密接に絡み合う形で展開した制度であり、大和王権による地方支配の実態解明に不可欠な研究テーマである。
【論考編】
第1部 総 論ー国造制・部民制研究の前提ー
1「大化改新」と部民制 篠川 賢
2 国造と伴造についての基本的考察ー「造」の本質からー 大川原竜一
3 人制研究の現状と課題ー国造制・部民制の史的前提としてー 鈴木正信
〔コラム〕矢田部とカラ(韓・辛)矢田部 紅林 怜
第2部 国造制・部民制の実態と諸相
1 国造任命の一試論ー「武蔵国造の乱」を手掛かりとしてー 小野里了一
2 伴造ー伴部制の一齣ー垂仁紀を中心にしてー 中村友一
3 人制から部民制へ 堀川 徹
4 古代駿河中部の氏族とヤマト王権 須永 忍
5 古代の東北と国造制に関する一考察 永田 一
6 吉士系日下部氏と草壁皇子 渡部敦寛
〔コラム〕古代の鵜飼 小川宏和
第3部 国造制・部民制と地域社会
1「磐井の乱」前後における筑紫君と火君
-西海道地域の首長層の動向と対外交渉ー 加藤謙吉
2 郷名寺院の諸問題 三舟隆之
3 「凡河内」考 溝口優樹
4 墓制から見た出雲西部における横穴墓被葬者の階層性
-神門郡を中心にー 東 真江
5 古墳時代中・後期の相模東部地域の諸様相
-古墳・横穴墓の様相と鎌倉之別の存在形態ー 須藤智夫
6 東北・関東地方における主要古墳群の動向と国造制 小森哲也
〔コラム〕筑紫君磐井・葛子と筑紫国造 酒井芳司
【史料編】
1 部民制(伴造制)関係文献目録 大川原竜一編
2 部民制(伴造制)関係史料集 鈴木正信・堀川徹・紅林怜編
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