古代文学の表象と論理

20年近くの古代文学研究の間に、作品を読んだ時の「ひらめき」のようなものを頼りに発表した 様々な古代文学に対する論文をまとめる。 恋愛表象論、歌垣論、神話表象論、記紀論、秘儀論、異類表象論、シャーマニズム表象論等。 1　恋愛表象論 　　戸をめぐる表現 　　呼応する歌 　　　　-旅生活における問答歌ー 2　歌垣論　中国少数民族白族の歌垣世界から 　　何故歌うのか 　　　　-中国少数民族歌垣の事例からー 　　歌垣の歌の論理 　　　　-中国少数民族白族の歌垣を参考にー 3　神話表象論 　　「黄泉国訪問神話」論 　　　　-イザナキの悲哀の仕事ー 　　神話の中の身体 4　記紀論 　　迷走する『古事記』 　　　　-古事記序文の「上古の時云々」を読むー 　　『耳』の書物 　　　　-日本書紀の「史」の方法についてー 5　秘儀論 　　『大嘗の祭』祝詞を読む 　　　　-スサノオの挫折ー 6　異類表象論 　　風土記における異類婚の位相 　　　　-他者としての異類ー 7　シャーマニズム表象論 　　憑依と神婚 　　　　-異類婚姻譚の発生ー 　　異人の容貌 　　黄泉がえらない景戒の夢 　　　　-『日本霊異記』における生と死の境界ー 8　文学研究へのまなざし 　　神話研究史の内部と外部 　　違和としての古代文学 　　　　古橋信孝著『万葉歌の成立』所収・解説 　　都市へ向かう言葉 　　　　書評　古橋信孝著『古代都市の文芸生活』 　　現在としての郊外 　　　　書評　古橋信孝著『平安京の都市生活と郊外』 　　ハードとしての物語論 　　　　書評　三谷邦明著『物語の方法1・2』 　　ロゴスはエロス？　エロスはロゴス？ 　　　　-『物語文学の方法1・2』を読むー 　　凝集と拡散 　　文学研究をやめない理由 　　物語成立の瞬間に立ち会う 　　　　書評　石井正巳著『絵と語りから物語を読む』 　　生活世界の中で生きられている言語行為 　　　　書評　藤井貞和著『詩の分析と物語状分析』 　　「喰う」ことの精神性 　　　　書評　中村生雄著『祭祀と供犠』 　　文学・文化をどう語るのか 　　　　書評　安田敏朗著『国文学の時空 　　　　　　　　　　　　　　-久松潜一と日本文学ー』 各論文の初出一覧 あとがき