仏教美術史展望

幅広い知的関心と学問的構想に基づく多数の論稿の中から、仏教美術史に関する十六編を厳選して五部構成で収録。仏教美術に注がれた著者の温かなまなざしを伝える一冊。 ［目次より］ 刊行にあたって 第一部　仏教美術史を俯瞰する 仏画における生身性についてー五色糸と髪?- 中国版本の請来と日本美術 唐物・韓物・和物のたからものー木版画を中心にー 第二部　東アジアを伝播する図像 宋代版画三題ー元興寺蔵如意輪を中心とした円成寺蔵如意輪・遍照寺蔵阿弥陀三尊ー MOA美術館蔵『伝法正宗定祖図』についてー宋請来の拓本と図像ー　　　　　　　　　　　　 サンフランシスコ・アジア美術館所蔵文殊菩薩図像についてー宋本図像と形式の踏襲ー 第三部　後醍醐の王権と文観の造形 根津美術館蔵大日金輪・如意輪観音厨子についてー文観房弘真と制作背景ー 吉野・吉水神社蔵両界種子曼荼羅ー後醍醐天皇と文観房弘真ー 妙法院蔵神像図像巻の図像学的考察　 早稲田大学図書館所蔵 『狐草紙』と『文観阿舎利絵巻』-文観房弘真の後世におけるイメージ化ー 第四部　祖師の姿と本尊の霊験 根津美術館蔵善光寺如来縁起絵 室生寺蔵真言八祖画像についてー室生寺中興空智房忍空との関係からー 「互いの御影」空海と僧形八幡神画像についてー成立から浄光明寺本までー 個人蔵清凉寺式釈迦如来画像についてー西大寺像との関わりを中心にー 第五部　密教図像の宇宙 烏蒭沙摩明王図ー東京国立博物館本と奈良国立博物館本ー 新出の立川流聖教についてー翻刻と解題ー 附録　立川流聖教『五大五色抄（仮称）』影印 図版一覧 初出一覧 略歴 著作目録 あとがきにかえて（成澤勝嗣） 索引