紅き宇宙の夜明け

「やつだ…やつがいたんだ！」巨大装甲歩兵の若きパイロット、デュランは絶叫した。上官で親友でもあるレオンは取り乱すデュランを見て驚愕する。「いったい、どうしたっていうんだ」銃弾が咆哮する戦場。そこに突如出現した、「深紅の機体」。それは、デュランの両親を殺した、仇であった。漆黒の宇宙を航行する巨大移民船エストーリオ。母星を捨て、新天地を求める流浪の民たち。しかし数世紀にわたる旅は、その意義を失っていた…。貧困と差別、繰り返される戦乱。若き士官デュランは、闘う意志を胸に秘める。「無敵王トライゼノン」に隠された、もうひとつのエピソードを新鋭が描く！血で血をあらう、旅路の涯に「幸福の星」が見えるのは、いつなのか。