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出版社:名古屋大学出版会
出版日:2019年06月12日頃
ISBN10:4815809518
ISBN13:9784815809515
販売価格:5,940円
光と影から見た日本映画史ーー。それは伝統ではなかった! 『陰翳礼讃』以前、日本映画は「明るさ」に価値を求めていた。では「影の美学」はどのように現れ、展開し、伝統となったのか。照明のテクノロジーに注目し、トランスナショナルな視点から新たな日本映画史を描く。
序 章 影の美学とは何か
第1章 照明と資本主義
-松竹とハリウッドー
ハリウッドから来た男
蒲田調とパラマウント調
ーーラスキー・ライティングからスリーポイント・ライティングへ
『情の光』
見やすさと表現の豊かさーー新派とハリウッド
「一ヌケ」のスローガンと蒲田調
合理化ーー松竹の資本主義と近代化
スターの照明法
第2章 刀の閃きとスターの輝き
-松竹と時代劇ー
時代劇の誕生と刀の閃き
伊藤大輔の時代劇
明るく楽しい松竹時代劇映画
林長二郎、彗星の如く現るーー時代劇と女性観客
セクシーな時代劇映画へーー新しいプロモーションと照明
対話とフォトジェニー
ーー林長二郎のスター・イメージと新しい映画観客
第3章 ストリート映画
-松竹とドイツー
『十字路』--松竹の「不純な調和」、時代劇、そしてストリート映画
光で殺す
蒲田の街
発光する手
視覚について
視覚の光と触覚の光
蒲田調の復活
第4章 影の美学
-松竹、東宝、日本ー
闇の奥へーー林長二郎から長谷川一夫への変身
黒の凱歌ーー『婦系図』と『川中島合戦』
ハリウッド映画のロー・キー・ライティングの賞賛
写実的精神と日本の崇高
“ハリー”・三村明ーーハリウッド帰りの東宝の男
終 章 宮川一夫の映画撮影
日本の美を伝える
「影の美学」実現ーー第二次世界大戦期
「影の美学」再検討第二次世界大戦後
日本映画と照明
注
あとがき
参考文献
図版一覧
索 引
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