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出版社:京都大学学術出版会
出版日:2020年01月21日頃
ISBN10:4814002483
ISBN13:9784814002481
販売価格:3,960円
西欧の帝国主義・国民国家は肌の色など身体的特徴を「人種」としてカテゴリー化した。しかし今やさらに先鋭化した人種化が席捲している。文化や生活習慣など見えない差異で線をひく厄介な人種化は、人が複雑に移動し交錯してきた「環太平洋型」といえる。本書は環太平洋型の人種化の史的起源と現状を示し、さらに芸術や対話の場を通してオルタナティブなグローバル化の道を探る。
序論
1 拡大する帝国・国民国家
第1章 遭遇としての植民地主義
--北海道開拓における人種化と労働力の問題をめぐって
[平野克弥]
第2章 植民地統治と「カテゴリー」
--植民地期シンガポールでの治安秩序維持を事例として
[鬼丸武士]
2 マイノリティたちの遭遇・共感・連帯
第3章 アメリカに渡った被差別部落民
--太平洋を巡る「人種化」と「つながり」の歴史経験
[関口 寛]
第4章 排日から排墨へ
--一九二〇年代カリフォルニア州における人種化経験の連鎖
[徳永 悠]
3 政治実践としての記憶と表象
第5章 博物館におけるマイノリティ表象の可能性
--差別と人権の政治学 [吉村智博]
第6章 日系アメリカ人の原爆批評
--戦争の記憶と一九九五年のエノラ・ゲイ展
[内野クリスタル]
第7章 一九九二年ロスアンジェルス蜂起をめぐる表象の政治
--『薄明かりーーロスアンジェルス、1992』と記憶の重層性
[土屋和代]
4 グローバル化時代の管理と抵抗
第8章 巡礼する人種主義のためのノート [成田龍一]
第9章 ヴァーチャル化する「人種」
--現代インドにおけるデータガバナンスと人種化 [田辺明生]
第10章 「ほどく」「つなぐ」が生み出すマイナー・トランスナショナリズム
--井上葉子とジーン・シンの作品と語りから [竹沢泰子]
あとがき
索引
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