ジュニア99のなみだ

悠太は母にずっと嘘をついていた。美容師になる学校に通っていると言っていたが退学してしまったのだ。母の愛情が感動的な「特技はうそつき」。古い商店街に最後に残った一軒のパン屋。閉店のその夜、訪ねてきた最後の客が思い出させてくれた人情溢れる「『マツミヤ』最後の客」。旅立ちの朝、父がアイロンをあててくれたジャケットを着た娘の決意を描いた「背筋を伸ばして」。やさしい涙がこころにしみる短篇小説集。