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出版社:青弓社
出版日:2018年01月30日頃
ISBN10:4787274104
ISBN13:9784787274106
販売価格:2,640円
孕む身体と接続したアートや表象ーー妊娠するラブドールやファッションドール、マタニティ・フォト、妊娠小説、胎盤人形、日本美術や西洋美術で描かれた妊婦ーーを読み解き、妊娠という女性の経験を社会的な規範から解き放つ挑発的な試み。
序 章 妊婦表象は何を語るのか 山崎明子
1 ユートピア的想像力が生み出す女性像
2 表象は不在を補う
3 ディストピアとしての妊娠
第1章 未来の母としての「妊娠するアンドロイド」をめぐって 菅 実花
1 アンドロイドと性
2 比喩としてのアンドロイド
3 サイボーグとしての人間
4 妊娠しないアンドロイド
5 ラブドールは胎児の夢を見る
6 フランケンシュタイン・コンプレックス
7 怪物の花嫁と未来の母
第2章 マタニティ・フォトをめぐる四半世紀ーーメディアのなかの妊婦像 小林美香
1 記念写真としての「マタニティ・フォト」の成り立ち
2 マタニティ・フォトの様式と儀式化
3 SNSで共有される妊活・妊娠体験ーー自撮り世代の妊婦像
4 「グラマラス(魅力的)な妊婦」--母であり、女であり、プロフェッショナルであること
5 記号的表現としてのマタニティ・フォトーーその受容と変奏
第3章 「妊娠」を奪取するーー女性作家による「妊娠」表象を読む 藤木直実
1 二十世紀初頭の文学場とジェンダー
2 「妊娠」と愛国ーー与謝野晶子「産褥の記」
3 悪女の「妊娠」--内田春菊「ファザーファッカー」
4 「妊娠」を奪取するーー村田沙耶香「殺人出産」
第4章 「あるべき」女児用人形とは何かーー「妊娠」した女児用人形をめぐって 吉良智子
1 近代化(ジェンダー化)された人形と「良妻賢母」教育
2 戦後日本における人形の身体の変化
3 ファッションドールにおける「妊娠」した人形のディスクール
4 あるべき「女児用人形」とは何か?
第5章 胎盤人形ーー見世物と医学と美術のはざま 池川玲子
1 謎の「胎盤人形」
2 模型から見る西洋助産史
3 模型から見る日本の助産史
4 考察、あるいは合成実験
第6章 日本美術に描かれた「妊婦」--中世の仏教思想と産む身体へのまなざし 池田 忍
1 孕む身体の不在
2 性愛と妊娠
3 出産の光景
第7章 妊婦と人形がアートのうえで出会うまで 香川 檀
1 〈禁断のエロス〉と寓意
2 女性が描く/描かない〈自然としての妊娠〉
3 ポストヒューマンの時代の〈義胎化〉--人工胎盤からラブドールへ
あとがき 藤木直実
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