就職と体育会系神話

体育会系の学生は就職活動で本当に有利なのかーー。歴史と統計、そして当事者の語りを読み解きながら、「体育会系神話」の実態とそれを成立させる構造のダイナミズムを描き出し、大学スポーツのゆくえと学生アスリートのキャリアの未来を構想する。 プロローグ 第1章　問題化する「体育会系」のキャリア形成 　1　対象としての「体育会系神話」 　2　先行研究の検討と本書の研究課題 　3　本書の構成 第2章　体育会系就職の現在 　1　誰が勝ち、誰が負けているのか 　2　体育会系のなかでの勝者は誰か 　3　なぜそのような勝敗がみられるのかーー諸説の検討 　4　体育会系の分化とジェンダー格差 第3章　体育会系神話の起源 　1　本章の目的ーー近代企業が求めた身体とは 　2　研究の手続き・進め方ーーどうすれば有用な身体のイメージを描けるか 　3　体育会系神話の起源 　4　「体育会系」と「教養系」 　5　スーパーエリートとしての体育会系 第4章　体育会系就職の最盛期ーー一九九〇年代の体育会系就職と企業スポーツ 　1　本章の対象と目的 　2　事例ーーインタビュー調査から 　3　社会文脈に埋め込まれた企業スポーツと体育会系就職／採用 第5章　日本社会のしくみと体育会系神話 　1　本章の目的 　2　「体育会系神話」成立の社会学的前提 　3　日本社会のしくみを反映する体育会系就職 第6章　体育会系神話のゆくえ 　1　大学スポーツのオルタナティブ 　2　国際比較から学ぶ 　3　日本は体育会系の「自立／自律」をめざす!? エピローグ 参考文献 謝辞