監視デフォルト社会

現代社会の監視とは、見張り／見張られ、見守り、相互に見合うことであるーー6本の映画作品に現れる「監視」のありようを読み解きながら、監視が日常に織り込まれ、デフォルトとして設定されている社会の本質をえぐり出し、そこに潜む「おぞましさ」に迫る。 プロローグ　監視をめぐるイマジネーション チャプター1 プレビュー　個人情報の行方 スクリーン1　『未来世紀ブラジル』--「死体の不在」という謎 インターミッション　バトル氏の独白 ビデオ／ブック・ガイド チャプター2 プレビュー　データとしての身体 スクリーン2　『ガタカ』--「人間の尊厳」の条件 インターミッション　ガタカの医師のつぶやき ビデオ／ブック・ガイド チャプター3 プレビュー　犯罪なき社会への欲望 スクリーン3　『マイノリティ・リポート』--「神のごときシステム」の陥穽 インターミッション　ショーンの回想 ビデオ／ブック・ガイド チャプター4 プレビュー　国家権力の影 スクリーン4　『善き人のためのソナタ』--「あまりに人間的な」転向 インターミッション　クリスタの後悔 ビデオ／ブック・ガイド チャプター5 プレビュー　陰謀への妄想 スクリーン5　『バーン・アフター・リーディング』--「陰謀」の遍在と不在 インターミッション　チャドの嘆き ビデオ／ブック・ガイド チャプター6 プレビュー　眼差しの快楽 スクリーン6　『LOOK』--「プライバシー」の現在 インターミッション　連れ去られた女の恨み ビデオ／ブック・ガイド エピローグ　監視のおぞましさの正体 あとがき