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出版社:裳華房
出版日:2011年10月20日頃
ISBN10:4785358483
ISBN13:9784785358488
販売価格:3,520円
外来種問題は、生物と環境の関わり方をさまざまな時間的・空間的な広がりのなかで捉えることでその構造を解き明かすことができる。これは自然科学だけでなく、人びとの意思決定に関わる社会科学の問題に関しても同様である。本書の目的は、自然科学と社会科学の双方の視点から外来種問題を捉え、外来種が生物多様性と人間社会にもたらす影響を考察することにある。これは、いままで国内外で出版されてきた書籍にはない斬新な試みといえる。
本書には、やや専門的な内容も含まれているが、類書にはない最新の研究成果や斬新な視点が随所に盛り込まれている。外来種問題に関心のある学生、一般人、そして専門家にいたる幅広い読者層の方々にそれぞれの立場から楽しんでいただけることだろう。
第1編 外来種が生物多様性にもたらす影響
1.遺伝子浸透 -遺伝的乗っ取りのメカニズムー
2.外来植物による生態系改変とその影響 -機能形質に着目したアプローチー
3.外来植物と植食性昆虫の相互作用と適応進化
4.外来捕食者の駆除と中位捕食者の解放 -その発生機構と生態系の復元戦略ー
5.外来種同士の相互作用と在来種の進化適応
6.すぐに増える,ゆっくり増える,やがて消える? -外来種がもたらす影響の時間変化とそのしくみー
第2編 外来種が人間社会にもたらす影響
7.侵略的外来昆虫が農林業へ与える経済被害とその対策
8.水産業における外来種の利用と被害
9.在来種と外来種の管理に対する人びとの意識
10.外来種の管理に対する人びとの支払意志額
11.ローカルな「問題化の過程」と「外来種問題」 -地域特性と歴史的文脈を踏まえた政策的取り組みー
第3編 生態系と人間社会のつながりを考える
12.外来種の適正管理に向けた総合的な取り組みへ
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