マルクスと《価値の目印》という誤謬

マルクスもエンゲルスも含め、150年以上誰も指摘することがなかった『資本論』第一部蓄積論の誤謬と混乱を正す、『資本論』探究者必携の画期的労作！ 　資本の蓄積過程論（蓄積論）は、冒頭商品論とならんで『資本論』第一部の理論空間をつくりあげている極である。しかしマルクスは蓄積論において、価値にあたかも目印がついて弁別可能であるかのように論じるという誤りを犯し、混乱をきたした叙述を行っている。 　本書は、初版刊行以来150年以上も看過されてきたそれらの誤謬と混乱を根底的にただし、新たな理論次元を拓くものにほかならない。『資本論』研究者必読の一冊である。 『マルクスと商品語』（小社刊、2017年）続編。 主要目次 第1部 蓄積論はどのように叙述されるべきか 第1章 『資本論』における蓄積論の位置と課題 第2章 再生産過程論におけるマルクスの混乱と誤謬 第3章 『資本論』蓄積論の成立過程からみた混乱と誤謬 第4章 数式を用いた再生産過程の一般化モデル 第5章 『資本論』フランス語版の蓄積論にたいするわれわれの評価 第6章 「領有法則の転回」論への批判 第7章 資本の蓄積過程の一方の側面である本源的蓄積過程について 第8章 〈目印〉論という謬論の根深さについて 第9章 〈富ー価値ー商品〉止揚のための諸条件はいかに生み出され成熟するか 第2部 『マルクスと商品語』補論と展開 第1章 『資本論』冒頭商品論の、出だし部分と価値形態論における諸商品の等置式の直接対比的考察 第2章 なぜ商品の社会性は価値として現われるのかーー価値とは何か 第3章 『マルクスと商品語』の一論述への補足的註解 第4章 〈可算無限ー非可算無限〉という概念対について